懐かしの名作ドラマを見ていると、今活躍中の俳優がまだ子役だった頃のかわいい姿と再会することがある。今から23年前に放送された、香取慎吾、松岡充、加藤浩次の共演作「人にやさしく」(2002年、フジテレビ系)は、FOD・TVerで第1話が2月7日(金)まで無料公開中。登場人物にそれぞれ切ない過去はありつつも明るく楽しい空気で描かれてきた全体のムードが、第9話で一変。子役時代の須賀健太が父子の別れのシーンで迫真の演技をして視聴者の涙を誘った。 (以下、ネタバレが含まれます) ■前、太朗、拳にとって幼い明も大切な仲間となる 「人にやさしく」は、東京・原宿の街を舞台に「3ピース」と名付けた一戸建てに同居する前(香取)、太朗(松岡)、拳(加藤)の3人と、突如見知らぬ母親から「預かってください」の手紙と一緒に現れた小学生・明(須賀健太)が共に「明るく、楽しく、ファンキーに!」をモットーに暮らしていく青春子育てグラフィティ。現在開催中のFOD・TVerによるキャンペーン「 浸れ、超自分的ドラマ生活。」では、第1話のほか、全話を順次無料配信している。 2月1日(土)まで無料配信中の第9話、サブタイトルは「父子・衝撃の再会」。日向(陣内孝則)から明の父親が犯罪者だと聞かされた前。さらに日向が、明を前に任せたのは明を利用して父親を逮捕するためだったと知ってショックを受ける。そして、明に悲しい思いをさせまいと太朗、拳と一緒に明を守ろうと決意するのだった。 早速3人は太朗の部屋で作戦会議を開き、明の生活時間帯に合わせて交代でボディガードを受け持つことに。太朗が明に付き添い、仕事の都合で高級ホテルにやってくると、15年前に自分を東京に厄介払いした医師の父に出会う。確執のある父と太朗の気持ちは平行線をたどり、分かり合えない。息子を半人前扱いする太朗の父に、明は「太朗くんはすごいんだ!太朗くんは僕の親代わりだよ。僕のパパとママが迎えに来てくれるのを一緒に待ってくれてるんだよ」と強い気持ちをぶつけて太朗の味方をした。 ■明が 「パパ―!」と涙を流して絶叫する 父子の再会は、太朗と父だけではなかった。警察に追われている明の父が前に連絡を取り、明と会いたがる。日向に知られてはまずい状況だったが、明と父が再会するその時、何台ものパトカーに取り囲まれ、明の目の前で父が逮捕されてしまった。明は両目から大粒の涙を流して「パパー!待ってー!パパ―!!」と絶叫し、手に父の似顔絵を握りしめながら再び父子は別れることになってしまう。前の胸で「パパが連れていかれちゃった~!」と号泣する明の姿は、視聴者にも大きな悲しみと寂しさを呼び起こした。 続く第10話も、2月4日(火)まで無料配信中。前、太朗、拳との約束を破って明の父親を逮捕した日向に3人は怒りを隠せない。それでも日向を信じたい前は「もっといいパパになって戻ってくるから待っていような」と明を元気づけ、似顔絵を使って母親を探すことを提案する。そして原宿の仲間たちも巻き込んで明の母親探しが始まった。また、のぞみ(星野真里)に告白した太朗はデートに誘うが、のぞみの気持ちが前に向かっていることに気付いてしまう。 最終話まで残り1話。明と3人の期間限定の“親子”関係と絆が深まる一方、本当の親がどこにいるのか、そして彼らの関係がどう着地するのか、クライマックスの描き方が気になる。前とのぞみの恋にも動きがありそうで、登場人物みんなのハッピーエンドを願いたくなる、そんなドラマである。