粉飾決算で融資金10億円詐取疑い 美容学校運営の元社長ら再逮捕へ

昨年5月に閉校した「愛知中央美容専門学校」の親会社が粉飾決算で銀行から融資金を詐取したとされる事件で、愛知県警捜査2課は19日にも、別の銀行からも約10億円をだまし取った疑いが強まったとして、名古屋市中村区の携帯電話販売会社「アミックテレコム」(倒産)の元社長、青木隆幸容疑者(68)=東京都千代田区三番町=ら3人を詐欺容疑などで再逮捕する方針を固めた。捜査関係者への取材で判明した。 捜査関係者によると、青木容疑者らは、債務超過に陥っていたにもかかわらず、資産や営業利益を過大計上した虚偽の決算報告書を銀行に提出し、計約10億円の融資金を詐取した疑いがある。 同社は2023年8月末に負債総額約27億4000万円で破産。破産手続き開始申立書の中で、青木容疑者は同社の粉飾決算について触れているが、「私は直接関与していない」と説明していた。 一方、今年1月末に青木容疑者とともに逮捕された財務担当の元社員の1人は、県警に対し「粉飾決算は青木容疑者が主導し、約20年前から繰り返していた」という趣旨の供述をしているという。 青木容疑者は17年に美容サロンなどの運営会社を約3億円で買収。それと同時に、美容専門学校の運営などにも乗り出した。 ただ、捜査関係者によると、青木容疑者は遅くとも17年には粉飾決算に手を染めていた疑いがあるという。だまし取った融資金を専門学校の運営や赤字の補塡(ほてん)に回していたほか、一部は青木容疑者が個人で流用していたとみられる。【田中理知】

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