尹大統領、あす無制限の最終陳述…与党圏「任期短縮改憲を切り出す可能性」

韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が25日の弾劾審判最終陳述で何を話すのかについて政界の関心が集中している。尹大統領側は無制限弁論が可能な最終陳述であるだけに、戒厳による国論分裂や混乱に対する謝罪など対国民メッセージを入れて弾劾棄却世論を最大限拡散する計画だ。弾劾訴追棄却時、自身の任期短縮を前提とした改憲を約束することもそのうちの一つのカードというものだ。 尹大統領は週末だった22~23日の間、ソウル拘置所で弁護団と面会して最終陳述と弁論戦略をまとめることに集中した。大統領が弾劾審判の最終陳述に自ら出廷するのは初めてのことだ。尹大統領は拘置所で書いた肉筆の陳述書と口頭説明を基に弁護団とチェ・ジヌン前国政メッセージ秘書官が原稿を整理したという。 任期短縮改憲が最終陳述に入るだろうという見通しの根拠は、周囲に「任期に執着しない」と話してきた尹大統領の発言だ。12・3戒厳事態後、尹大統領に何度も会った与党要人は「尹大統領が戒厳直後、韓東勲(ハン・ドンフン)前国民の力代表に会った時も与野党が合意して任期短縮改憲をすれば従うと話した」とし「今でもその考えは変わらないと理解している」と話した。尹大統領は先月15日、高位公職者犯罪捜査処(公捜処)と警察の逮捕令状執行前、与党議員たちにも「私は大統領までしたのでこれ以上の目標はない。この状態でさらにできることがないことに気づいた」と話したともいう。 ただし、尹大統領代理人団の尹甲根(ユン・ガプグン)弁護士は「尹大統領はさまざまな意見を聞きながら熟考中」としながら「『任期短縮改憲提案検討』は誰かが自身の考えている一つの案を話したもので大統領の意向とは違う」という反応を伝えた。あわせて「弾劾を免じるために条件付きで何かするというのは大統領のスタイルではない」と付け加えた。 戒厳事態に関連して捜査を受けたり拘束されたりした公職者に対する謝罪も入る見通しだ。与党関係者は「尹大統領が戒厳事態後、自身のために苦難を強いられた軍警責任者に対して、申し訳ないという言葉を数回繰り返した」とし「これまで裁判で言えなかった国民と公職者に対する申し訳ない気持ちもあわせて伝えるだろう」とした。非常戒厳事態で拘束されて裁判を受けている軍・警指揮部は9人だ。与党「国民の力」の権性東(クォン・ソンドン)院内代表も23日、国会で開いた記者懇談会で「(非常戒厳宣言で社会的不安を引き起こしたことに対して)国民に対する謝罪の言葉と大統領の命令と指示に従った方々に対する善処(要請)等の言葉が入るべきではないだろうかと考える」と話した。 弾劾反対の流れに参加した一部の20~30世代に対する感謝も最終陳述に含まれる予定だ。尹大統領は逮捕直前にも参謀に「戒厳の必要性に対して自覚し、政治と社会問題に再び声を出せたことが最も大きなやりがい」と話したという。拘束以降も「夢を育むべき青年たち未来世代が現実に挫折しないだろうかという心配のほうが先立つ」〔先月28日、石東炫(ソク・ドンヒョン)弁護士〕というなどのメッセージを伝えてきた。 それでも最終陳述の大きな幹は「巨大野党」の暴走に伴う戒厳宣言の不可避性になる展望だ。尹大統領は逮捕前の国民向け談話と憲裁審理でも、29回の連続弾劾や野党の単独予算削減に言及して「国民に野党の反国家的凶悪を知らせようとした」という「警告性戒厳」主張を展開した。反面「政治家逮捕説」や国会封鎖命令などを否認する立場も守っているというのが尹大統領周辺の展望だ。

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