マーベル史上最も過激…“むき出しの暴力”で戦う「デアデビル」とは? 懺悔し葛藤する盲目のヒーロー

昼は盲目の弁護士、夜はマスクを被って“むき出しの暴力”で法では裁けぬ悪を挫くクライム・ファイターとして正義のために戦う“デアデビル”によるマーベルの最新ドラマシリーズ「デアデビル:ボーン・アゲイン」が、3月5日より配信開始した。「アベンジャーズ」“ニューヨーク決戦”後を舞台に、2015年にスタートしたドラマ「マーベル/デアデビル」だが、そもそもチャーリー・コックス演じるマシュー・“マット”・マードック/デアデビルとは一体どんなヒーローなのか。新作配信のこの機に「マーベル/デアデビル」のシーズン1〜3、そして、シーズン2と3の間に位置するドラマ「ザ・ディフェンダーズ」で活躍してきたマットのパーソナルデータ、これまでの歩みを解説しよう。(以下、過去作のネタバレを含みます) ■視力を失うも超人的感覚と卓越した格闘術を身に付けた弁護士 盲目の弁護士であるマットがいかにして“ヘルズキッチンの悪魔”ことデアデビルになったのかは、「マーベル/デアデビル」シーズン1にて描かれる。マットは9歳の頃に交通事故で両目の視力を失ってしまったが、プロボクサーの父と2人、貧しくも楽しく生活していた。 父親は、マシューにはいつかスラム街での生活から脱してほしいと教育に力を入れ、彼の養育費のために八百長試合も受け入れていた。ところがある日、途中で負けるはずだった試合に勝ったことでギャングに殺されてしまい、天涯孤独に。この経験などもあり、圧倒的な正義感を身に付けた。そして施設に預けられ、目の見えない老人から視覚以外の感覚を超人的に発達させる方法と戦い方を学ぶ。 成長したマシューは、昼はロースクールで出会った親友で権力に屈しないフランクリン・“フォギー”・ネルソン(エルデン・ヘンソン)と共に開業した「ネルソン&マードック事務所」の弁護士として、夜は“覆面の男”として、夜な夜な悲鳴を聞きつけるたびに暴行や誘拐などの被害に遭遇した人々を拳で救ってきた。 ■宿敵・キングピンとの長き戦い そんなマットの前に、スラム街の一角にあるヘルズ・キッチンという地域を思いのままに操ろうとする男が現れる。それが頭をそり上げた巨漢のウィルソン・“キングピン”・フィスク(ヴィンセント・ドノフリオ)だった。表向きはヘルズキッチンの再開発計画を進める実業家だが、実は裏社会を牛耳る犯罪王で、立ち退きを拒否する老女を容赦なく手にかけても警察官を買収して事件をもみ消すなど、やりたい放題。 しかもギャラリー経営者のヴァネッサ(アイェレット・ゾラー)と知り合ったことで慈善家としても名をはせようと動き出し、その化けの皮を剥ごうとするマットらと壮絶な戦いを繰り広げることになる。 警察官、法律家、記者を買収したり、妻子や恋人、家族を殺すと脅すなどして操っていたフィスクだが、ドラマのシーズン1ラストで強力なスーツを手に入れ“デアデビル”=命知らずとマスコミに命名されたマットに倒され、刑務所に入った。 シーズン2では刑務所を支配し、家族を皆殺しにした組織を根絶しようとする私刑執行人フランク・キャッスル/パニッシャー(ジョン・バーンサル)に接触して、意のままにしようと画策。シーズン3では刑務所から釈放され、今度はFBI捜査官まで買収。最後はいとしのヴァネッサを帰国させて結婚を発表するが、そのままデアデビルとの肉弾戦に突入し、再び逮捕された。 ■罪なき人々を救うための“暴力”に葛藤も マットは父親に暴行され続ける少女を助けるために初めて拳を振り上げて以来、弱者を助けるために戦ってきたが、その手段に暴力を用いることに葛藤し、悩み続けていた。シーズン1の第9話で親友のネルソンに正体がばれた際には強くぶつかり合ったが、法では守れない存在を救うためのやむない手立てとして、決して賛成はされなかったものの最終的に受け入れてもらえた。それでもマットは、幼少期から知る神父に懺悔し続けてきた。 その罪悪感と不条理な世の中へのフラストレーションは、シーズン3が終わった後も消えることはなく、彼の中で生き続けてきた。しかも宿敵キングピンもまだまだ健在で、2人の戦いは新作ドラマ「デアデビル:ボーン・アゲイン」に引き継がれている。 しかも新作のキングピンはさらなる野望を抱いて、人々をあざむいていく。よみがえったデアデビルはいかなる鉄槌を下すのか。マーベル史上最も過激なバイオレンス・アクションが帰ってくる。 「デアデビル:ボーン・アゲイン」は、ディズニープラスで毎週水曜に新エピソードを独占配信中。 ◆文=及川静

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