〈覚悟はできているんですよね〉…闇バイト詐欺「6時間ホテル監禁で仲間を顔面骨折か」集団暴行の中身

手足を結束バンドで縛り、ナイフで指を切りつけ、顔面を殴る蹴るなど、集団暴行は未明まで続いた――。 3月6日、警視庁組織犯罪対策特別捜査隊は傷害と逮捕監禁の疑いで東京都杉並区に住む職業不詳・山崎大輝容疑者(29)ら10~20代の男4人を逮捕した。山崎容疑者らは闇バイトの特殊詐欺グループのメンバー。仲間の男性A(24)を監禁し、激しい暴行を加えたとされる。 「AはSNSを通じて闇バイトに応募した、詐欺で得たカネを受け取る『受け子』役です。昨年10月に東京都立川市在住の60代男性からキャッシュカードをだまし取り、現金約230万円を引き出します。しかし山崎容疑者らのグループに渡さず持ち逃げしたとか。 山崎容疑者らは激怒します。秘匿性の高い通信アプリで、Aを〈それなりの覚悟はできているんですよね〉〈あと1回仕事すれば許してやる〉などと脅迫。昨年11月にAを呼び出し埼玉県川口市でワンボックスカーに乗せると、江戸川区内のホテルに連行し夜8時ごろから翌日未明の2時近くまで約6時間にわたり監禁、暴行したそうです」(全国紙社会部記者) ◆部屋の固定電話から110番通報 容疑者4人による集団暴行は凄惨を極めたという。長時間にわたり腹や顔を殴打。Aは顔面骨折するなど全治約1ヵ月の重傷を負った。 「Aはスキをみて監禁された部屋の固定電話から110番通報。警察に保護されますが、窃盗の罪などで今年2月に懲役3年の実刑判決を受けました。警察は現場の防犯カメラ映像などから、山崎容疑者らを逮捕します。調べに対し山崎容疑者は『やっていません』と否認し、他の3人はおおむね犯行を認めているそうです」(同前) 本誌カメラマンは、3月8日に行われた山崎容疑者の送検を撮影。目を細め、報道陣を睨むような仕草をみせていた。 元神奈川県警の刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏が語る。 「闇バイトは、SNSで簡単な仕事で収入を得られる『ホワイト案件』をうたうことが多いですが信じてはいけません。安易に応募すると、強盗や殺人など重大な事件に加担することにもなりかねないんです。いったん犯罪グループに入ると、指示内容に拒否感を覚えても簡単に抜けられない。 『受け子』や電話をかける『かけ子』など末端のメンバーは、恐怖で支配されています。身分証明書や家族構成の提示を求められ、反発すると親族にまで危害がおよびかねません。今回のようにカネを持ち逃げするのは論外ですが、ルールを破った人間が激しい暴行を受けるケースも多いようです。破格の報酬が提示されても、決して闇バイトに応募しないでください。やっていることは明らかな犯罪です」 Aが集団暴行を受けた事件では他にも共謀者がいるとみて、警察は捜査を進めている。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加