東京・高田馬場の路上で動画をライブ配信していた佐藤愛里さん(22)が刺され、死亡した事件で、殺人未遂容疑で逮捕された職業不詳高野健一容疑者(42)が、金銭トラブルになっていた佐藤さんについて「金を返さないのに、配信で稼いでいることにやりきれなくなった」という趣旨の供述をしていることが12日、捜査関係者への取材で分かった。 「2023年の初めごろから(佐藤さんと)連絡が取れなくなった」と話していることも判明。警視庁捜査1課は、同容疑者が佐藤さんへの恨みを募らせていたとみている。 同課は同日、司法解剖の結果、佐藤さんの死因は出血性ショックだったと発表した。遺体は頭や顔などを30カ所以上刺されたり切られたりしており、首の傷が致命傷だったとみられる。腕にも抵抗した時にできる傷があったという。 捜査関係者などによると、同容疑者は、配信活動をする佐藤さんと知り合って以降、求めに応じて計200万円以上を送金したと説明。「金を返さない佐藤さんが今後も配信で稼いでいくことにやりきれなくなった」という趣旨の供述をしている。 同容疑者は21年12月から佐藤さんの動画を視聴するようになり、22年夏ごろには佐藤さんの当時の勤め先の飲食店を訪れるようになった。直接会ったり、LINEなどのメッセージでやりとりしたりしていたが、23年初めごろから連絡が取れなくなったと説明しているという。 事件は11日午前9時50分ごろに発生。佐藤さんはインターネットのライブ配信中に突然襲われ、死亡した。同容疑者は「生配信の告知を見て、同日朝に上京した」「生配信を見ながら佐藤さんを捜した」という趣旨の供述をしている。