ネット投稿の時代 専門家が“ライブ配信・SNSのリスク”を指摘「危害目的の視聴者も」

若い世代を中心にライブ配信やSNS利用が当たり前の時代になっている今、「動画配信やSNSなど身近なネット利用に潜む危険性」について専門家に話を聞きました。 配信やSNSに投稿した写真から個人情報が特定され襲われる事件は、これまでに何度も発生しています。2019年にはアイドル活動をしていた女性が自宅に侵入され、わいせつな被害に遭う事件が発生していて、侵入した男はSNSにアップロードされた写真の女性の瞳に映っていた駅舎の形から最寄り駅を特定し、待ち伏せして後をつけることで自宅を特定しています。また、2022年には岩手県で、SNSで見つけた投稿から自宅を特定し押しかけ、性的暴行を加えようとした疑いで当時19歳の男が逮捕されています。 ソーシャルメディアの危険性に詳しい東京都立大学の星周一郎教授はライブ配信について、必ずしも視聴者が楽しんでいるとは限らないとして「自分は楽しいことを提供している。画面を見ている人も純粋に楽しんでくれているんだという前提で配信しがちだが、敵意、危害を加えようと思っている人がいる可能性もある」と指摘します。 さらに、人通りが多い街中であってもリスクは十分にあると話します。星教授は「その場では襲われなくても、配信が終わった後にずっとつけていくということはできる。人通りが多いからといって安心という話でもない」といいます。 また、著名な人でなくても写真をアップすることによるリスクはあり、誰もが一度考えてから写真を上げてほしいと話します。星教授は「『本当にその写真は安全か』と、上げる前にひと呼吸置いて考えてみてほしい。『その写真を何のために上げるのか』と考え『目的や手段として適切なのか』と、なかなか難しいかもしれないが、一歩ネットにアップロードする前に考えてもらうくせを付けてもらうことが一番いい」と注意を呼びかけます。 ネット上での個人情報の特定について、東京・渋谷の街で若者に聞いてみると「友達が公開しているSNSのアカウントで、高校の制服姿で写っていたので、怖いと思った」と話す人もいました。また、友達とリアルタイムで写真が共有できるアプリを使っているという若者は「(そのアプリは)初めから位置情報がオンに設定されているので危ない。住所は教えていないが、たまたま家で撮った写真があって、友達に家の住所がばれたことがある」と、自身の経験を話しました。 さらに、別の若者は「卒業式で写真を撮る時、卒業証書を持って写真を撮ると思うが、卒業証書には高校名が書いてある。そのままSNSに上げると高校名がばれるので、モザイクをかけた」と、SNSを使った投稿を振り返りました。

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