米国立公文書館は18日、ジョン・F・ケネディ元大統領暗殺事件(1963年)に関し、これまで非公開か部分的に非公開とされていた機密指定文書を公開した。公開された文書は同日深夜までに6万ページを超えた。量が膨大なため、専門家やメディアによる分析には時間がかかる見通しだ。 トランプ大統領が2期目の就任直後、残りの機密文書を全て公開するよう命じる大統領令に署名。17日には、残る全てのファイル約8万ページを公開するよう指示したと明かしていた。 新たに公開された文書は、大統領令を受けて作られた国立公文書館ウェブサイトのページ「JFK暗殺記録」から見ることができる。18日深夜までに計2182のPDFファイル、計6万3400ページが公開された。これが残る全ての機密文書なのかは不明だ。 米紙ワシントン・ポストの18日夜時点の分析によると、文書識別番号を見る限り全く新しいものはなく、一部が非公開だった文書の未公開部分が開示されたケースが多いという。ただ、依然として非公開の部分も残っているという。 この日公開されていない文書や非公開部分については、米国家情報長官室が18日の声明で「裁判所の了承を得れば、直ちに情報を公開する」と説明した。 ケネディ氏は1963年11月、南部テキサス州ダラスで暗殺された。現職大統領が白昼、オープンカーでパレード中に頭部を狙撃された事件は、全世界に衝撃を与えた。 政府の調査委員会は、道路に面したビルから銃撃したとして逮捕され、直後に警察署内で射殺されたリー・ハーベイ・オズワルド容疑者の「単独犯行」と断定。しかし、キューバ、ソ連(当時)、マフィアの関与など、さまざまな陰謀説がささやかれ続けている。今回公開された文書が、こうした陰謀説に終止符を打つものになるのか注目される。 92年に制定された「JFK暗殺関連資料管理法」は、米中央情報局(CIA)など政府機関が作成した資料を25年後の2017年までに公開するよう義務付けた。関連資料は数百万ページに上り、大半は公開された。しかし、一部は国家安全保障上の懸念があるとして、1期目のトランプ大統領、バイデン前大統領によって繰り返し公開が延期されていた。【ワシントン西田進一郎】