アメリカのオープンAIが開発した対話型AI「チャットGPT」の最新機能を使い、写真を「スタジオ・ジブリ」の作風に変換してSNSに投稿する動きがアメリカで急増しています。 最初に「ジブリ化画像」を投稿したという男性の話を聞きました。 ワシントン州シアトル在住のソフトウェア・エンジニアのグラント・スラットンさんが25日午後、Xに投稿した「ジブリ化画像」の閲覧回数は3000万回を超えています。 同じ日に利用可能となった「チャットGPT」の最新機能を使い、ビーチで妻と飼い犬と一緒に撮った写真はまたたく間に「ジブリ化」できたといいます。 ーーー投稿の経緯を教えて (最新機能が)発表されてすぐ写真を1枚アップロードして、これを「スタジオジブリ風に変換して」と入力した。そうしたら素晴らしいものができて投稿したんだ。 妻がとても喜んだので、投稿の際「世の夫のみなさん、奥さんと家族が映った写真をジブリ化して、奥さんに送ってあげて!そうすればとても喜ぶよ」と書いた。 妻を喜ばすのが最初の発想だったが、多くの人が同じように感じたようだね。 ーーー反響についてはどう思う? 私の知る限り、ネット上で最も『ハッピー』な反響だったと思う。 ネットは一般的に、特にツイッター(X)上ではとてもネガティブなものが多い。でも最初の24時間の間だけは、みんながハッピーな感じだった。 みんな結婚式や子供やペットの写真を投稿してね。誰も政治や、ニュースについて話していなかった。世界中に純粋な『幸福感』が広がっていた。魔法のようだったよ。 ーーーなぜ「ジブリ」を選んだ? 宮崎駿監督のマジックは、他の多くのクリエイターが捉えられない「感情」を捉えているところだと思う。例えば、結婚式とか子供の誕生日とかの写真は「現実」を捉えているが「本当の感情」を捉え切れない。宮﨑監督のスタイルは、それを本当に引き出すんだ。 ーーー投稿した家族写真とジブリ化画像が2日間にわたり拡散し続けているが? ウソみたいな感じだ。何千万人もの人が私の家族を見ているというのはとても奇妙な感覚だが、ほとんどの人が写真ではなくジブリ化した絵の方を見ている。彼らは写真を1秒間見て、次にジブリ化した絵を10秒間見ている。 注目はそっちだから、悪い気はしないよ。 ーーー一方で、ホワイトハウスが「不法移民を逮捕した」とする場面を「ジブリ化」して投稿したが? 20分前にそれを見たが、悲しい。 きょうにかけてジブリを非常に悪い画像に利用するネガティブな人たちが増え始めた。とても悲しく残念なことだが、それがテクノロジーというものの力でもある。ポジティブな面がネガティブな面を上回っていると思うが、とても残念だ。 ーーー著作権の問題についてはどう思う? 特に金もうけの目的でなければ、著作権の問題は生じないと思う。例えば、この絵を家の壁に飾るだけなら、誰も傷つくことはない。見るたびに私たち夫婦は笑顔になって、スタジオジブリの映画をもっと観に行きたくなるよ! ーーー「ジブリ化」を意味する「Ghiblify」「Ghiblification」という単語も使われているようだが、広く認知されているということ? 私が思いつきで作った言葉だが(認知されるのは)最高に幸せな作風だからだと思う。みんなが知っている、とても幸せなスタイルだから。「感情」を引き出すのにスタジオジブリに勝るものはない。