兵庫県警本部長が離任会見 「捜査へ疑念を…」知事選の告訴告発巡り

兵庫県警の村井紀之本部長(57)が28日、県警本部で離任の記者会見に臨んだ。 斎藤元彦氏が再選した昨年の知事選などをめぐり告訴、告発が相次いでいる点を問われ、「十分な捜査がされていないのではという疑念を抱かせていることは承知している」とし、「詳細を県民に伝えることは難しいが、県警として捜査をやり遂げる方針は変わらない」と強調した。 知事選をめぐる誹謗(ひぼう)中傷が飛び交う状況について、「悪意のない方が虚偽を拡散しているのは問題と感じる」と改めて危惧を示した。 伊丹市出身。県出身者で本部長を務めたのは村井氏が初めてだった。 自らのユーチューブチャンネルで自作の曲を発表するなど、異色の警察官僚でもある。 SNSでも踏み込んだ発信を続けた。 今年1月、自民党県連に所属していた姫路市議がX(旧ツイッター)で「兵庫県警の内部では知事選において、特定候補(斎藤知事ではない)の応援をするように通達されていたと聞いた」などと発信されていた。 これに対し村井本部長は自身のフェイスブックで「自民党兵庫県連に厳重抗議しようと考えています」と投稿した。 1月中旬には、告発文書の内容を調査する県議会の調査特別委員会(百条委員会)の委員を務めた竹内英明・前県議(50)が死亡したことが発覚した。 その直後、政治団体「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志氏が(竹内氏は)「逮捕される予定だった」と発信。村井本部長は1月20日の県議会警察常任委員会で「全くの事実無根」と発言し、「明白な虚偽がSNSで拡散されていることについて、極めて遺憾だ」とも述べた。 2月26日の県議会本会議では、選挙や政治活動をめぐりSNSでデマや誹謗中傷が横行しているとして、「県政をめぐる分断を助長していることについて憂慮している」と述べていた。 村井氏は31日付で中国四国管区警察局長に就任する。 後任の県警本部長には小西康弘・警察共済組合理事が就く。(小田健司、宮坂奈津)

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