静岡県島田市の市立総合医療センターで女性看護師(37)を蹴るなどけがを負わせたとして、静岡県警掛川署に傷害の疑いで現行犯逮捕された女優広末涼子容疑者(44)が9日、勾留先の同県警浜松西署から送検された。同県警は同容疑者の認否を明らかにしていないが、逮捕後には、事故の負傷程度の検査を受け、健康状態に問題はないと診断されたという。一方で薬物検査の協力を依頼していることも判明。静岡地検浜松支部は取り調べ結果を踏まえ、勾留請求するかどうかを判断する。 ◇ ◇ ◇ 9日午後2時過ぎ、広末容疑者が白いワンボックスに乗せられ、浜松西署を出た。後部座席は仕切られており、様子をうかがうことはできなかったが、同署には約100人の報道陣が駆けつけ、ファンの姿もあったという。多くを失った不倫騒動から2年。徐々に活動の場を復活させつつある中での衝撃的な逮捕劇は、世間を大いに騒がせている。 広末容疑者の逮捕容疑は8日午前0時20分ごろ、病院で看護師の37歳女性の左足を、ローキックのように右足で複数回蹴り、右前腕を引っかいて軽傷を負わせた疑い。7日午後にマネジャーとみられる男性と乗用車で奈良県から東京都内へ戻っていた際、新東名高速道路の浜松サービスエリア(SA)で休憩。広末容疑者が運転を交代して間もなくの同6時50分ごろ、掛川パーキングエリア(PA)近くの粟ケ岳トンネルで大型トレーラーに追突した。現場検証後、手当てを受けるために向かった病院で事件を起こした。 病院での検査前に現行犯逮捕されたため、署に留置された後、改めて別の病院で事故の負傷程度の検査を受けたという。CT検査などを行ったところ、おとなしく応じ、事故による大きなけがはなく、体調に特段問題はないと診断された。運転免許証が事故車両から見つかったことも判明。搬送時は身分証明書を持っておらず、身元確認に時間がかかった。 同捜査関係者によると高速道路上や署でも「アルコールの臭いはしなかった」といい、呼気からも検出はされず。県警の取り調べで、当初は大声を出すなど取り乱していたが、次第に落ち着き、捜査員の質問に答えているという。本人に薬物検査の協力を依頼しているといい、追突事故の道交法違反容疑と合わせた運転車両の捜査や、必要性があれば自宅の捜索など、あらゆる可能性を踏まえた調査を行っていくとしている。 広末容疑者の個人事務所は、当面の間の芸能活動自粛を発表。逮捕に至った行為については「一時的にパニック状態に陥った結果」などと弁明。一世を風靡(ふうび)した人気女優の蛮行に、世間からは悲しみや批判の声が上がっている。