【AFP=時事】中国の治安当局は15日、今年2月に黒竜江省ハルビン市で開催されたアジア冬季競技大会に関連するサイバー攻撃に、米国家安全保障局(NSA)の「秘密工作員」3人が関与していたと発表した。関係者の情報提供に対する報奨も提示している。 ハルビン市警察は中国のSNS「微博(ウェイボー)」に投稿した声明で、NSAに所属するキャサリン・A・ウィルソン、ロバート・J・スネリング、スティーブン・W・ジョンソンの3人が、大会期間中に「重要な情報インフラ」へのサイバー攻撃を行ったと名指しで非難した。3人はいずれも、NSAのサイバー戦部門「TAO(Tailored Access Operations)」に所属しているとされる。 中国のコンピューターウイルス緊急対応センターは今月初め、第9回アジア冬季競技大会(2月7日~14日)に関連する情報システムに対し、国外から計27万件以上のサイバー攻撃が記録されたと発表。攻撃は大会前の1月26日から閉幕後の2月14日まで続き、情報発信システム、出入国管理、決済システム、さらには地元インフラが狙われたとした。当局はその約3分の2が米国からのものだったとしている。 15日の声明では、NSAの工作員らが中国企業、中でも国家安全保障上の懸念を理由に2019年から米国の制裁対象となっている通信機器大手・華為技術(ファーウェイ)を含む複数の企業を標的にしていたことが明記された。 また国営新華社通信は、米カリフォルニア大学とバージニア工科大学が、アジア冬季競技大会に対する一斉攻撃に関与した「証拠を発見」したと報じた。 当局は、3人に関する手掛かりを提供し「逮捕に協力」した者には報奨を与えるとしている。【翻訳編集】 AFPBB News