袴田巌さんの再審認めた元判事が委員に 再審制度見直しの法制審部会

鈴木馨祐法相は18日の閣議後記者会見で、確定した刑事裁判をやり直す再審制度の見直しを議論する法制審議会(法相の諮問機関)の部会委員を公表した。委員は14人で、袴田巌さん(89)の再審開始を最初に認めた元判事の村山浩昭弁護士が就任する。部会の初会合は21日に開かれ、有識者による議論が本格化する。 村山氏は2014年、静岡地裁の裁判長として、強盗殺人事件で死刑が確定した袴田さんの再審開始を決定し、死刑と拘置の執行停止も決めた。袴田さんは逮捕から47年ぶりに釈放され、24年に再審公判で無罪が確定した。 他の委員には、日本弁護士連合会で再審制度の見直しに取り組む鴨志田祐美弁護士のほか、刑事法学者や検事、裁判官らが就く。議決権を持たない幹事らを含め、部会は総勢23人で構成される。鈴木法相は会見で「幅広い観点から検討いただくことに適した方々だ。国民の関心も高く、できる限り早期の答申を期待している」と述べた。 再審制度を巡っては法制審とは別に、超党派の国会議員連盟が今国会で議員立法による法改正を目指し、改正案の条文化を進めている。【三上健太郎】

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