マカオ司法警察局は4月19日、前日(18日)未明にコタイ地区にある統合型リゾート(IR)併設ホテルの客室で強盗事件が発生し、通報から12時間以内に容疑者の20〜30代の中国人(中国本土居民)の男5人のうち3人を中国本土の警察当局が広東省珠海市で、残る2人についてもマカオ司法警察局がマカオ域内でそれぞれ逮捕したと発表。 同局によれば、被害者はマカオで違法な高利貸しに従事する男で、18日午前2時正午頃に125万香港ドル(日本円換算:約2290万円)の現金を持って事件現場となったホテル客室を訪問したところ、客室内にいた男5人に暴力を振るわれ、また借用書に署名を迫られた上、相手に持ち込んだ現金をすべて持ち去られたとの通報が寄せられたという。 通報を受けた同局が速やかに捜査に着手し、容疑者5人の身元を特定。このうち3人がすでに横琴イミグレーションから中国本土へ移動済みだったことが判明したため、中国本土の警察当局に支援を依頼し、同日午後5時までに珠海市内で3人を逮捕するとともに、奪われた現金のうち一部の奪還に成功。残る2人についても同日午後1時までにマカオ域内の2つのホテルに滞在しているところをそれぞれ逮捕したとのこと。 マカオで逮捕した2人は同局の調べに対して協力を拒否しているというが、同局では捜査で得られた情報を総合的に判断して強盗に関与したことは明らかとし、強盗罪で検察員送致するとともに、残りの現金の行方について引き続き捜査を進めるとした。なお、本件の被害者である高利貸しの男についても、賭博目的高利貸し罪で別途立件する方針という。 マカオではカジノでの賭博資金をめぐる高利貸し、それに絡む監禁事件がしばしば発生しており、賭博目的の違法貸付に対する刑罰を強化した新法「打擊不法賭博犯罪法(違法賭博犯罪対策法)」が昨年(2024年)10月29日に施行されたばかり。