SNSによる誹謗(ひぼう)中傷が深刻な社会問題となっているとして、兵庫県は23日、「STOP SNS誹謗中傷」の啓発キャンペーンを始めると発表した。26日から5月6日まで、X(旧ツイッター)に44秒の音楽と文字の動画広告を県内ユーザー向けに流す。 動画では、「その発信、ほんとに発『真』ですか?」「『みんな言ってる』は、ただの言い訳」と呼びかける。5月上旬からは、県立高校や県内の大学、公共施設などにも順次ポスターを配布し、掲示する予定だ。 また、ネット上の誹謗中傷による被害者救済体制を強化するため、プロバイダーへの削除依頼の助言や法的手続きの紹介など、弁護士による電話相談(078・891・7877)を拡充する。従来の毎週木曜日午後3~5時に加え、毎月第三日曜日午後2~5時も開設する。無料。対面の場合、要予約。7月以降は、ユーチューブやインスタグラムのほか、JR三ノ宮駅や神姫バス車内のデジタルサイネージでも発信していく予定だ。 県の内部告発文書問題や昨年の知事選をめぐっては、SNSで県議らへの誹謗中傷が絶えない。兵庫県議会の調査特別委員会(百条委員会)の委員を務め、1月に死亡した竹内英明・前県議に対しては、「逮捕される予定だった」などといったSNS投稿があり、当時の村井紀之県警本部長が県議会で「全くの事実無根」と述べるなど、異例の事態を招いている。 斎藤知事は23日の定例会見で、「県のみならず全国的、世界的に課題になっている。ネット上の人権侵害に対し、しっかりと予算措置して啓発していくことが大事だ」と述べた。(中塚久美子)