(CNN) 米ニューヨーク州オノンダガ郡の検察は29日、同州シラキュースにあるハイスクールの生徒少なくとも11人が後輩少なくとも5人に対する悪質ないじめに関与したとして、48時間以内に出頭するよう命じた。出頭しなければ拉致の重罪に問われると通告。事件は「いじめの域をはるかに越えている」と指摘している。 検察の記者会見によると、事件は24日夕に発生。ウェストヒル・ハイスクールの男子ラクロス部の生徒が、後輩に対する「いじめあるいは悪ふざけ」を計画した。 ウェストヒル中央学区は29日、同校の男子ラクロス部について、今シーズンの以後の試合は出場停止になると発表した。 同郡の保安官事務所が特定した被害生徒5人のうち1人は、突然茂みの中から現れた集団によって拉致されていた。集団は黒ずくめの服装で、拳銃やナイフを持っているように見せかけていた。 検察によると、集団は被害生徒の頭に枕カバーをかぶせて縛り上げ、車のトランクに押し込めて、同郡南部の森林の中に放置した。 その後、被害生徒は帰宅することができたが、一時はこのまま何もない場所に置き去りにされるかもしれないと思ったという。事件の様子を撮影した動画も押収されており、検察官は「これを面白がる者もいた」と指摘。「この若者は、自分の身に起きたことのためにどれほど長引く影響を受けるか分からない」と被害生徒を思いやった。 被害生徒はラクロスの試合後、マクドナルドに寄ってから自宅まで送るといってだまされ、誘い出されていたという。 車の運転手が人気のない場所で道に迷ったふりをしたところへ、拉致犯を装った集団が茂みの中から飛び出した。 検察は事件に関与したとされる少なくとも11人に直接呼びかける形で48時間以内に出頭するよう促し、出頭すれば不法監禁の軽罪で済ませられるかもしれないとした。 しかし出頭に応じなければ、捜査当局が必ず容疑者を突き止めて逮捕すると強調。「そうなれば成人として起訴され、非常に重い拉致の重罪に問われる」と通告している。 今回の事件についてはSNSでうわさが広まり、学校常駐の警官が保安官事務所に通報。29日に地区検察が犯罪捜査を引き継いだ。