『キャスター』岡部たかしが悩める父親を熱演 「間違わない人はいない」の重さ

「ほんのちょっと社会が良くなることを信じてるんだ」 5月4日に放送された『キャスター』(TBS系)第4話では、二つの事件の背後にあるつながりが暴かれた(※本記事ではドラマ本編の内容に触れています)。 女子大生の宮野雪(下尾みう)が通り魔に殺された。当初、警察はストーカー行為を繰り返していた元交際相手を逮捕したが、誤認逮捕であることが判明。進藤(阿部寛)の指示で警察関係者から情報を聞き出した本橋(道枝駿佑)のスクープだった。だが、進藤の狙いは別のところにあった。 女子中学で発生した盗撮騒動。未来のスターを発掘する新コーナーで、報道局長の海馬(岡部たかし)は娘の灯里(竹下優名)が通う桐桜女子中学に取材を申し込んだ。実は取材は表向きで、本当の目的は盗撮事件の調査。灯里が被害に遭ったのではないかと心配になり、海馬は本橋にリサーチを頼んだ。華(永野芽郁)を連れて中学を訪れた本橋だったが、同行した進藤を目にして、娘のすみれ(堀越麗禾)は顔色を変える。 取材と並行して、本橋と華は盗撮事件を調べる。華は部員たちに、本橋は顧問の芳賀(高橋努)、進藤は警備員の小津(馬場徹)に聞き込みを実施。現場から消えたカメラの行方とともに、バスケ部部長の灯里が一時期、急に成績が良くなったことを知る。殺された宮野が盗撮被害に遭っていたことから、点と点がつながった。 闇バイトに関与したことで実行役が逮捕される。捕まるのは若者だけではなく、10代の中高生も知らないうちに犯罪の片棒を担がされている。インターネットを介してつながる犯罪ネットワークに身震いした。誰もがターゲットになりうるし、身近なところに犯人が潜んでいる可能性を考えた。 第4話では、報道に携わる人間が持つ家族の顔がクローズアップされた。娘の身を案じるのは海馬も進藤も同じだが、進藤の場合、報道に携わる者としての覚悟が上回っていた。真実を伝えるため、ときに非情な決断をくだす進藤に対して、海馬は肉親の情に引き裂かれていて、その分、人間味があるとも言える。灯里のテレビ出演を許諾するまでの心の葛藤は生々しかった。

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