川崎市川崎区の住宅から女性(20)が遺体で発見された事件では、元交際相手の男(27)=死体遺棄容疑で逮捕=とのトラブルについて、警察は女性側から何度も相談を受けていた。 ストーカー対策はこれまでに3度の法改正を経るなど徐々に強化されているが、警察は通常、被害者からの相談にどう対応しているのだろうか。 警察庁によると、警察が恋愛感情のもつれによる暴力事案などの相談を受けた場合、署長や警察本部が情報を共有した上で危険性や切迫性を判断している。警察庁が特に着目するように指示しているのは、被害者に危害を加えるような言動や、被害者に接近しようとする行為がないか、加害者の所在が不明になっていないか――などだ。 警察がこれらの情報を入力すると、過去の事例をもとに自動で危険性を4段階に分けて判断するシステムもあり、各警察で活用されている。危険性があると判断した場合は、警察官による被害者の周囲の警戒や、緊急通報装置の貸し出しを実施。加害者側への聴取も行い、「つきまとい行為」などがあれば、警告や禁止命令を出す。命令に違反した場合などには摘発するという。 ただ、ストーカー被害は深刻な状況が続いている。ストーカー関連の相談件数は昨年、前年比1.4%減の1万9567件で、毎年2万件前後で高止まり状態だ。摘発件数は近年増加傾向で、昨年はストーカー規制法違反の疑いで1338件を摘発した。5年前の1.5倍になった。