ウイリアムズ代表、“泥沼”アルピーヌF1から参戦のコラピントにエール「彼は強い。困難な環境でも、期限付きでも結果を残せるはず」

F1エミリア・ロマーニャGPで、フランコ・コラピントが昨年末以来のF1出走を果たす。彼はジャック・ドゥーハンに代わって、アルピーヌから今後5戦を走ることになっている。 アルピーヌは、現在のエンストンを本拠地とするチームを2016年にルノーが再取得して以来、度重なる責任者の交代など、ブランドの再構築が幾度となく繰り返され、チーム運営が混乱しているというイメージがついている。ハイテックを率いたオリバー・オークスが最近までチーム代表を務めていたが、そのオークスもコラピントとドゥーハンの交代が発表される直前に即時辞任。現在はエグゼクティブ・アドバイザーのフラビオ・ブリアトーレが暫定的な代表となっている。 これらの出来事は依然として憶測が飛び交っている。オークスに関しては、弟が多額の現金を所持していたことから犯罪収益譲渡の容疑で逮捕される一件があったばかりだが、辞任との関係性は不明だ。 アルピーヌはチーム内のゴタゴタにより危機的状況にあるという印象が拭えないが、そんな中でコラピントはグランプリに出走することになる。しかしかつての古巣であるウイリアムズのジェームス・ボウルズ代表は、彼がアルピーヌのような環境でも成長できると信じてやまない。 コラピントは元々、ウイリアムズ育成プログラムの出身。昨年途中に不振のローガン・サージェントに代わってウイリアムズのレギュラーシートを与えられると、そこで何度か入賞を記録したことで一躍注目の存在となった。 「今のアルピーヌが混乱の中にあるのかと言われると、それは疑いようがないだろう」 ボウルズはそう語る。 「ただ彼ら(アルピーヌ)はピエール(ガスリー)とフランコをしっかりサポートするだろう。なぜなら彼らはどちらも優秀なアスリートであり、チームのために最大限のポイントを狙う存在だからだ」 「たとえ混乱の最中でも、普通はドライバーに対するサポートは続くものだ。実際、そういうチームでの経験というのは計り知れない価値があると思う。困難な環境を乗り越えれば、確実により強くなれる」 「それにフランコは強い男だ。だから彼にとってこの環境は適切な環境だと思っている」 前述の通り、コラピントは昨年サージェントの代役としてF1デビューを果たし、9戦で印象的な走りを見せた。しかしウイリアムズは既に今季に向けてカルロス・サインツJr.とアレクサンダー・アルボンのコンビでラインアップを確定していたため、コラピントに入り込む隙はなかった。そのため、ドゥーハンの立場が保証されていないという噂が飛び交うアルピーヌに移籍することでより良いチャンスを求めた。 その結果実際にシートを得られたコラピントだが、彼もシーズン終了までのドライブが約束されているわけではない。現時点で明らかになっているのはあくまで、イモラからの5レースでコラピントが乗るということだけだ。 「アルピーヌとの取引に納得しているのには理由がある。それはフランコが2025年……もっと言えば2026年にレースシートを獲得する最高のチャンスだと本気で感じたからだ」とボウルズは言う。 「彼が我々のアカデミーの一員だったことを誇りに思っているし、彼が今グリッドに立っている理由の一端には我々の存在もあるだろう。うちのチームで彼がすぐに速さを見せたのも目の当たりにしたはずだ」 「彼が非常に速いことは分かっているし、アルピーヌがどんな期限を設けたにしても、彼は結果を残せると思う」

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