大阪府豊中市で飲食店の経営者ら2人が包丁で刺されるなどして1人が殺害された事件で、殺人未遂の疑いなどで逮捕されていた男について、警察は21日、店長に対する強盗殺人の疑いで再逮捕したと発表しました。 強盗殺人の疑いで再逮捕されたのは、会社員の杉本孝裕容疑者(52)で、4月30日未明、豊中市柴原町の集合住宅で、債務の支払いを免れるために飲食店経営の竹中維吹さん(24)の頭や顔などを包丁で刺して殺害した疑いがもたれています。 被害にあった男性から「包丁でおでこを切られた」と警察に通報があり、事件が発覚。警察が現場に駆けつけると、集合住宅の外で45歳の男性が頭から血を流していて、さらに2階の一室では竹中さんが首などから血を流して倒れているのが見つかりました。2人は病院に搬送され、竹中さんは死亡が確認され、45歳の男性は軽傷でした。 司法解剖の結果、竹中さんの死因は胸付近を複数回刺されたことによる「失血死」で、深い傷は約8センチと臓器に達していたということです。また、抵抗した際にできる傷が、頭や胸、腹、腕などに少なくとも十数か所あったということです。 警察は死亡した男性が見つかった部屋の住人で、現場近くで包丁を持っていた杉本容疑者を銃刀法違反の疑いで現行犯逮捕。その後、殺人未遂の疑いで再逮捕していて、警察の調べに対し、杉本容疑者は「家の中で飲み屋の店長を刺したあと、もう一人も殺すつもりで家の外にでた」などと話していたということです。 杉本容疑者は竹中さんが経営する飲食店の客で、過去にも複数回、代金の未払いでトラブルがあり、事件直前も店を訪れていて代金を支払わなかったため、竹中さんらとともに車で自宅に未払い代金約18万円を取りに行っていたとみられています。 強盗殺人の容疑について杉本容疑者は黙秘していて、警察はさらに詳しい経緯を調べています。