昭和43年の“父の日”に起きた「横須賀線爆破事件」…犯人逮捕のきっかけは「新聞の切れ端」 3万人超の購読者から「25歳の大工」を割り出した執念の捜査

昭和の時代、「爆弾事件に明け暮れた」時期があった。昭和37年11月、歌手・島倉千代子さんの後援会事務所に爆発物を郵送し、翌年9月5日には地下鉄銀座線に爆弾をしかけ10人に重軽傷を負わせた「草加次郎事件」。翌日、犯人は俳優・吉永小百合さん宅へ直筆署名の脅迫状を送り付け、指紋も検出されたが未解決に終わっている。また、昨年1月、連続企業爆破事件(1974〜75年)などに関わった「東アジア反日武装戦線」のメンバーで、別の事件で指名手配されていた桐島聡容疑者(70)が、入院先の病院で死亡したことも記憶に新しい。不特定多数の人間を巻き込む卑劣な犯行だが、今回取り上げる「横須賀線爆破事件」も特異な事案だった。いったい、どのような事件だったのか――。 (全2回の第1回)

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加