警察・検察幹部が社長らに謝罪 大川原冤罪、一連捜査の違法確定

機械製造会社「大川原化工機」の冤罪事件を巡る訴訟で、逮捕・起訴を違法とした東京高裁判決が確定したことを受け、警視庁と東京地検の幹部が20日、横浜市の同社を訪れ、1年近く勾留された大川原正明社長(76)と元取締役島田順司さん(72)に謝罪した。 11日に上告断念を表明した警視庁と東京地検は、同社側に直接謝罪し、捜査の経緯を検証する考えを示していた。大川原社長らは第三者機関による検証を求めている。 大川原社長ら3人は、生物兵器製造に転用可能な装置を無許可輸出したとして外為法違反容疑で2020年に逮捕・起訴された。胃がん治療のため勾留が停止された元顧問相嶋静夫さんは被告の立場のまま、21年2月に72歳で死去。地検は同7月に犯罪に当たるかどうか疑義が生じたとして起訴を取り消した。 今年5月の東京高裁判決は一審東京地裁判決に続き、警視庁と地検が必要な捜査を怠ったなどとして、逮捕・起訴を違法と認定。東京都と国に計約1億6600万円の賠償を命じた。

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