地面師事件で24歳再逮捕「ネットカジノで借金」 14億円詐取容疑

大阪の繁華街・ミナミ(大阪市中央区)を舞台に、地面師とみられるグループに不動産の買い手側が計14億円超をだまし取られたとされる事件で、大阪府警は22日、住居不定、無職の粂(くめ)陵平容疑者(24)=電磁的公正証書原本不実記録・同供用容疑などで逮捕=を詐欺容疑で再逮捕し、発表した。認否は明らかにしていない。 捜査関係者らによると、粂容疑者は6月1日に名古屋市内で最初に逮捕され、これまでの調べに「ネットカジノで数百万円の借金を抱え、返済に困っていた」などと供述しているという。 府警は、知人を通じてグループの指示役とされる会社役員の福田裕(ひろし)容疑者(53)=詐欺容疑などで逮捕=とつながり、報酬を借金の返済に充てる目的で事件に関与した疑いがあるとみている。 捜査2課によると、粂容疑者の再逮捕容疑は昨年2~3月、福田容疑者と共謀して大阪市中央区の不動産会社の新任の代表者になりすまし、同社がミナミで所有するビル3棟などの売買契約を別の不動産会社2社と結び、代金として計約14億5千万円をだまし取ったというもの。 捜査関係者らによると、粂容疑者は昨年3月の事件直後にタイに1カ月ほど滞在していたことも確認されたという。府警は、福田容疑者らから資金援助を受け、身を隠そうとしていた疑いがあるとみている。 粂容疑者は買い手側の2社に対して本来の代表者の70代女性の親族を名乗り、「経営を引き継いだ」などと説明したとされる。登記簿など事件当時の公的な書類に記載された住所地の大阪市内のタワーマンションには住んでいなかった。 事件をめぐっては5月、グループのメンバーとされる60代と70代の女2人も電磁的公正証書原本不実記録・同供用などの容疑で逮捕されるなどした。 福田、粂両容疑者と女2人は詐欺事件前の昨年1月、不動産所有会社の登記や代表の70代女性の印鑑登録を無断で変更するなどした疑いが持たれている。(小島弘之、黒田陸離)

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