東京都豊島区の商業施設「サンシャインシティ」内の法律事務所で1日昼前、従業員の30代男性が刃物のようなもので刺され、死亡した。多くの会社員が利用するオフィスフロアで起きた事件とあって、動揺が広がった。 現場となった高層ビル「サンシャイン60」は中高層階部分がオフィスフロアになっている。法律事務所が入る31階部分には、エレベーターホールから廊下につながる入り口にブルーシートが張られ、立ち入りが制限されていた。 高層階の会社で働く男性は、「同じサンシャインシティ内で切りつけがあったと知って驚いた」と言う。事件の背景がわからず、営業などで外出している社員もいるため、全社員に注意喚起と安否確認のメールを送ったという。その後、ニュースの続報で容疑者が逮捕されたと知り「ひとまず安心した」と述べた。 ■「身近でこんな事件が起きるとは」 別の階で働く40代女性によると、事件に関する館内放送などは流れず、周囲では大きな騒ぎにはならなかったという。現場には誰でも出入りができるといい、「身近でこんな事件が起きるとは」。オフィスフロアをふだん利用しているという50代男性も「悲鳴や異変などは特になかった。このビルは密閉空間だから、容疑者が確保されずに逃げていたら、と思うと怖い」と話した。 サンシャインシティ近くのレストランで昼食を取っていた40代女性によると、当初は数台のパトカーがサイレンを鳴らしながら駆けつけたが、時間がたつにつれて、どんどんその数が増えていった。「こんな昼間に近くで刺殺された人がいたと聞いて鳥肌が止まらない」(堅島敢太郎、吉村駿、平川仁)