「17km尾行され盗撮」それでも“ストーカーではない”のか…韓国で議論噴出

【07月03日 KOREA WAVE】韓国の26歳の女性が6月1日夜、ソウル市蘆原区(ノウォング)マドゥル駅のエスカレーターで、背後から「カシャ」というシャッター音がするのを聞いた。男が盗撮していたのだ。現行犯逮捕された容疑者の男のスマホには、盤浦(パンポ)駅からマドゥル駅まで17キロ、約1時間にわたってこの女性を撮影した写真が残されていた。 ところが、容疑者に適用されたのは「カメラ等使用による撮影」容疑のみ。ストーカー規制法違反は適用されなかった。「1回の尾行はストーカーではない」というのが警察の見解。帰宅した女性は恐怖におののき続けている。 ストーカー規制法の成立は継続性・反復性が要件だが、その基準は極めて曖昧だ。今回の被害のように1日に発生した尾行・撮影が「継続」と認められるかは現場で解釈が分かれる。 専門家は、ストーカー犯罪の成立においては頻度ではなく、被害者が受けた恐怖や危険性を重視すべきだと訴えている。 クァク・デギョン東国(トングク)大学教授は「回数が少なくても被害者が激しい恐怖を覚えたなら立派なストーカー事件だ」と指摘。又石(ウソク)大学のペ・サンフン教授は「現在は被害者が受けた被害の数が基準となっているが、本来は加害者の行動パターンや危険性を重視すべきだ」と語る。 捜査の現場ではストーカー認定に消極的で、行き過ぎた取り締まりを恐れて適用を避ける傾向がある。その解決策として具体的なガイドラインの提供や教育が求められている。 法整備から5年がたち、法の網をすり抜ける行為に対応するための体系的見直しと警察の運用改善が急務となっている。 (c)KOREA WAVE/AFPBB News

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