泥酔した同僚の「電車トラブル」に巻き込まれて逮捕→諭旨解雇になった男性の“挽回策”

たとえ警察に逮捕されたとしても、有罪判決が確定するまでは犯罪者扱いは許されない。今回紹介するのは、とある事件に巻き込まれた男性。冤罪にもかかわらず解雇された彼の、権利回復までのプロセスを追う。※本稿は、ブラック企業被害対策弁護団『ブラック企業戦記 トンデモ経営者・上司との争い方と解決法』(角川新書)の一部を抜粋・編集したものです。 ● 気づくとトラブル相手が 横たわっていた…… 推定無罪の原則。ご存知のとおり、近代刑法上の大原則である。私の印象では、刑事ドラマではこれが完全にないがしろにされているが、弁護士や検察官を登場人物に描いたドラマでは一応この原則を説明するようになっているように思う。 今回は、そんな推定無罪原則が雇用関係で問題になった事例をご紹介する。 依頼者の木村さん(仮名)は、社会福祉法人城西園(仮名)で働いていた。 介護の仕事にやりがいを持って取り組み、熱心に仕事に励んでいた。 年末、法人全体の忘年会があり、上司の松さん(仮名)、同僚の阿部さん(仮名)らと共に、木村さんは都心から郊外の自宅への帰路についていた。すでに日付が変わる頃の時間で、下りの特急電車は忘年会帰りの乗客で混み合っていた。 木村さんたちはそれなりに酔っ払っており、上機嫌でついつい大声で会話していたせいか、他の乗客である角野氏(仮名)と口論になってしまった。ようやく停車した駅で木村さんたちも角野氏も一旦降車したところで、木村さんたちは角野氏との仲直りを図った。

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