ヴェルサイユ宮殿で必見の傑作5選。華麗な宮廷文化を物語る絵画、彫刻から装飾品まで

1607年、後にフランス国王ルイ13世となる少年は、初めての狩猟でヴェルサイユの田園地帯の地を踏んだ。父アンリ4世と同様、ヴェルサイユを気に入ったルイ13世は、のちに狩猟小屋を作り、さらに城館を建てる。それを拡張し、広大な庭園と宮殿の建設に情熱を注いだのが、ルイ14世だ。1682年に宮廷と政府を引き連れてこの地に移り住んだルイ14世によって、豪華な宮殿は歓楽の場となり、華やかな宮廷文化が展開された。 ルイ15世は曽祖父の死後、わずか5歳で即位し、8年後の1723年からヴェルサイユ宮殿での親政を始めた。その孫にあたるルイ16世は1789年に始まったフランス革命でパリへと連行され、1804年に皇帝に即位したナポレオンがヴェルサイユ宮殿の庭園内にある離宮、グラン・トリアノンに居を構えた。ナポレオン失脚後、復古王政を経てヴェルサイユ宮殿が本格的な復興を遂げたのは、1830年に新国王ルイ=フィリップが即位し、七月王政が始まったときだった。ルイ=フィリップは、ヴェルサイユを「フランスの全ての栄光に捧げる」美術館にすることを決定している。 現在、ヴェルサイユ宮殿のコレクションは約9万点にのぼり、中世から19世紀末までのフランスの歴史を概観することができる。以下、その中から必見の美術品5点を紹介する。

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