実際にパク元検事は大統領職引き継ぎ委員に合流し、尹政権発足後の同年6月に韓悳洙(ハン・ドクス)首相の秘書室長に任命された。李会長は11日、瑞熙建設本社に対する家宅捜索など特検捜査が拡大すると先制的に容疑を認める自白書を提出したとみられる。特検チームが裁判所に偽物をともに提示したのは金夫人が本物を瑞熙建設側に返した後「NATO歴訪時に着用したネックレスは模造品」と主張するため事後に用意した製品とみているためだ。 結果的に「ネックレスは2010年に香港で母のおみやげ用に購入した模造品」という6日の金夫人の特検での陳述が虚偽であり、組織的、計画的に証拠隠滅を試みた状況がそっくりあらわれた形だ。これと関連してオ・ジョンヒ特別検事補もこの日の令状実質審査終了直後の会見で「瑞熙建設側から尹前大統領就任直後にネックレスを受け取りNATO歴訪時に着用したのに金夫人が捜査過程で『20年前に香港で購入した模造品』と陳述し、同一モデルの模造品が親戚の家(兄の義母宅)で見つかった経緯を徹底的に捜査するだろう」と話した。 このネックレスは2022年6月29日にスペインのマドリードで開かれたNATO首脳会議歴訪時に金夫人が同胞夕食会で着用し公開された。その後大統領選候補者と公職者の財産申告漏れ(公職選挙法・公職者倫理法違反)疑惑がふくらみ、特検捜査の結果このネックレスの購入者が李会長の秘書室長であるという事実が明らかになった。 この日の令状審査の末に部長判事が金夫人に投げた唯一の質問もネックレスの授受についてだった。李会長の自白書の内容のように「ネックレスを受け取ったのは事実か」と問われると金夫人は「受け取っていない」と否認したという。 特検チームはNATO歴訪時に金夫人が着用し議論が起きた1500万ウォン台のカルティエのブレスレット、2000万ウォン台のティファニーのブローチなどブランド品授受疑惑に対する捜査も拡大する方針だ。特検チームは残る捜査期間に拘束令状で指摘したドイツモータース、ミョン・テギュン氏、コンジン法師の3件の疑惑を除いた金夫人特検法上の残り13件の捜査対象と新たに認知した事件捜査にも本格的に出る見通しだ。 令状審査で特検チームはドイツモータースの株価操作疑惑を捜査してきたハン・ムンヒョク部長検事を含む8人が、金夫人側からは3人の弁護士が参加した。特検チームは848ページに達する意見書を裁判所に提出し金夫人に対する拘束捜査の必要性を強調した。 金夫人側は80ページ分のパワーポイント資料を準備した。この資料には、金夫人がドイツモータースの単純な投資家であるだけで株価操作事実は認知できなかったという既存の立場に、ミョン・テギュン氏、コンジン法師と関する疑惑も全面否認する内容であふれていたという。