「面識ない女性」3度ともターゲットに 神戸刺殺容疑者、後つけマンション侵入繰り返す

神戸市中央区のマンションで20日夜、会社員の片山恵さん(24)が刺殺された事件で、殺人容疑で逮捕された谷本将志容疑者(35)が、3年前だけでなく5年前にもオートロック式のマンションに侵入し、女性につきまとうなどして逮捕されていたことが明らかになった。いずれも今回と手口が酷似し、ターゲットも全て面識のない女性だった。3年前の事件では判決で「再犯が強く危惧される」と指摘されていたが、3度目の事件を防げなかった。 裁判資料などによると、谷本容疑者は令和4年5~6月、ストーカー規制法違反容疑などで兵庫県警に逮捕されていた。同年1月以降、神戸市内のオートロック式のマンションに当時23歳だった女性の後に続き侵入。5月下旬には、別の人が出てきた際にマンションに侵入して待ち伏せした上、女性が帰宅した際に室内に押し入り、腕を回して首を絞めるなどし全治3週間のけがをさせた。路上で見かけて一方的に好意を抱き、約5カ月間にわたりストーカー行為を繰り返していたという。 神戸地裁は同年9月の判決で、「再犯が強く危惧されると言わざるを得ない」と指弾。一方で、犯行を認めて反省の態度を示しているとして、執行猶予付きの有罪を言い渡していた。 関係者らによると、谷本容疑者は2年にも、神戸市内に住む面識のない別の女性に対するストーカー規制法違反などで逮捕されていた。この事件でも女性の後を追って、オートロック式マンションの扉から侵入していたという。 今回の事件で片山さんは今月20日午後6時半ごろ、勤務先だった神戸市内の損保会社を退勤。会社付近から郵便局に立ち寄り、電車を乗り換えるなどして帰宅するまでの約50分間にわたり、谷本容疑者とみられる男が片山さんの後をつける様子が確認されている。 同日午後7時20分ごろには、片山さんの後を追うように、容疑者とみられる男がオートロック式の扉をすり抜ける姿が防犯カメラで確認された。容疑者は県警の調べに「まったく知らない人です」と供述している。 警察庁の統計によると、6年中のストーカー犯罪の加害者と被害者の関係の内訳は、「交際相手」が37・1%と最多だった。ただ「面識なし」も8・8%あった。

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