【提言】官製談合事件「組織体制の改善を」有識者会議が報告書 再発防止へ《新潟》

県が発注した工事をめぐる官製談合事件を受け、県の有識者会議は9月1日、報告書を取りまとめ、知事に提出しました。情報漏えいに関する歴代の部長による引継ぎはなかったとしたものの、組織の体制について改善の余地があると結論付けています。 1日午後、有識者会議のメンバーが県庁を訪れ、花角知事に報告書を手渡しました。 〈有識者会議 中村葉志生 座長〉 「報告書をまとめました。ご査収ください」 県発注の工事をめぐる官製談合事件。おととし、新発田地域振興局の当時の農村整備部長が工事の入札予定価格を漏らし特定の業者に落札させたとして逮捕され、有罪判決を受けました。 その後、県の調査で違法な入札が長年にわたって行われてきたことが発覚。有識者会議は組織性の有無も含め、職員へのヒアリングなどを進めてきましたが「歴代部長らの間で予定価格などを教示する仕組みなどの具体的な引継ぎはなかったものと考えられる」と結論づけました。 一方で、歴代の部長は違法行為と認識しながらも地域や周囲の人のために「よかれ」と思って予定価格を教示し、見返りを受けていないことで違法行為を正当化したと考えられると指摘。所属長は責任を負う立場であることから孤立しやすいこと、上司に相談できる体制が不十分だったことなど課題をあげました。 また、再発防止に向けて所属における業務上のリスク共有の徹底や、所属長へのサポートの強化、継続的なコンプライアンスの取り組みなどを提言しました。 〈有識者会議 中村葉志生 座長〉 「県民の信頼を損なうことがないように、また不幸な人を出さないようにしっかり取り組んでいただけたら」 〈花角知事〉 「再発防止に向けてメッセージの発信は意識してまいりたい」 報告を受けて、県は会食など利害関係者との接触ルールを厳格化、職員アンケート調査の定期的な実施などを盛り込んだ再発防止策を発表しました。 〈県 総務部 越中隆広 部長〉 「再発防止策をしっかりと運用していく中で県民の信頼を回復し、課題等があれば検証しつつ、2度とこうした事案が発生しないよう継続して取り組んでまいります」 県は再発防止策を徹底し、行動規範をまとめたリーフレットを作成し、近く職員に配布する予定です。

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