移民取り締まりの「巡回パトロール」、米最高裁が加州での継続認める トランプ氏の要求を支持

(CNN) 米連邦最高裁判所は8日、移民執行当局によるカリフォルニア州南部での「巡回パトロール」の継続を認めるよう求めるトランプ大統領の主張を支持した。下級裁判所はこの巡回パトロールについて、合衆国憲法修正第4条に違反する可能性が高いと指摘していた。 最高裁は、この判断の理由を説明しなかった。判断はリベラル派判事3人からの強い反対意見を覆す形で行われた。 問題となったのは、覆面を着け重武装した移民税関捜査局(ICE)の職員が、ロサンゼルス周辺で中南米系と自認する人々(一部の米国市民を含む)を呼び出し、移民資格について尋問した一連の事案だ。下級裁判所は、ICEがこれらの職務質問の正当化に必要な「合理的な疑い」を立証できなかった可能性が高いとの見解を示した。 今回の判断は南カリフォルニアの七つの郡に関するものだが、トランプ政権によるより広範な移民取り締まりが行われている最中に下されたため、当局はこれを他の地域での同様の行為を黙認するものと解釈する可能性が高い。 「これはカリフォルニア州民の安全と法の支配にとっての勝利だ」と、国土安全保障省の報道官は述べた。「国土安全保障省の法執行は活動を遅らせることなく、殺人犯、レイプ犯、ギャングの構成員、その他の犯罪を犯した不法移民の逮捕と追放を継続する」 7月、連邦地裁は国土安全保障省に対し、職務質問の根拠が主に人種、言語、あるいは農場やバス停といった特定の場所にいたことに基づく場合、この行為を中止するよう命じた。第9巡回控訴裁判所は、カリフォルニア州の七つの郡にのみ適用されるこの決定の大部分を支持した。 しかし、連邦最高裁はこの見解に異議を唱えた。最高裁は判断の根拠となる分析を一切示さなかったものの、トランプ氏を支持する保守派のブレット・カバノー判事は、賛成意見の中で、職員が考慮した要素は「総合的に判断すれば、少なくとも米国への不法滞在の合理的な疑いを構成し得る」と述べた。 これに対し、最高裁で初のヒスパニック系判事となったソニア・ソトマイヨール判事は激しい反対意見を表明した。 「中南米系の外見で、スペイン語を話し、低賃金の仕事をしているように見える人を政府が逮捕できるような国で暮らすべきではない」と、同判事は反対意見で述べた。エレナ・ケーガン判事とケタンジ・ブラウン・ジャクソン判事もこれに賛同した。「憲法上の自由が失われるのを傍観するよりも、私は反対する」(ソトマイヨール判事) ソトマイヨール判事は反対意見の中で、移民逮捕の「現場の現実」に言及。連邦政府は裁判所の判断によって不法移民に対する当局の拘束・送還能力が阻害されかねないと懸念しているが、これは実態に反すると主張した。

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