韓国の特別検察は17日、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)トップの韓鶴子(ハンハクチャ)総裁(82)から任意で事情聴取した。尹錫悦(ユンソンニョル)前大統領=内乱罪などで公判中=の側近や妻に不正な金品を供与した政治資金法違反などの疑いがあるとみている。 韓氏は17日午前10時から聴取を受けた。聴取を終えて、午後7時半過ぎに特別検察の事務所があるビルを後にし、迎えの車に乗り込んだ。昼休憩や事情聴取後の調書の閲覧を含め、計9時間半にわたった。出頭した時は自ら歩いていたが、聴取後は車椅子に乗っていた。 旧統一教会のトップが捜査機関に出向くのは極めて異例。特別検察はこれまで、旧統一教会と尹前政権をめぐる一連の事件で国会議員ら複数の容疑者を逮捕してきた。韓氏への聴取を通じて、事件の全容解明を図る。 韓氏については今後、在宅起訴をするのか、起訴に向けて逮捕状を裁判所に請求するのかを判断するとみられる。【ソウル福岡静哉】