沖縄で、希少種のカメが中国人によって大量に捕獲される事件が続発している。背景にはインターネットを使った希少種の闇取引が横行している現状があり、コレクターの需要を満たすため、中国の密猟のプロが沖縄の豊かな生態系を「狙っているのではないか」という見方も出ている。 持ち出されようとしたリュウキュウヤマガメが100匹と聞いて「驚いた」と話すのは沖縄大学地域研究所研究員の当山昌直さん(73)。 リュウキュウヤマガメは世界でも沖縄本島、渡嘉敷島、久米島にしか存在せず「生きた化石」とも呼ばれる貴重なカメだという。 沖縄の山奥にしか存在せず、一般人が捕獲するのは困難なことから「密猟のプロが狙って(沖縄に)来ているのではないか」と推測。逮捕された中国人4人が「チームプレー」している可能性を指摘した。 沖縄地区税関によると、リュウキュウヤマガメはインターネット上で10万~100万円で闇取引されている事例もあるという。関係機関は連携して警戒を強化している。 当山さんは「琉球には希少種が多く狙われやすい。特にカメは希少性が高いので、ペットとして人気があるようだ」と話す。 中国人らはこの1年だけで3回入国して沖縄を訪れており、今回発覚した事件が氷山の一角である可能性も否定できない。