下請け業者に架空の工事代金を請求させ、当時勤務していた熱交換器メーカー(東京)に損害を与えたとして、兵庫県警捜査2課と生田署は6日、会社法違反(特別背任)の疑いで、神戸市中央区の会社員の男(51)を逮捕した。 同課によると、男は当時、大阪支社の営業担当で、下請け業者への発注権限を持っていた。県警は2020年8月~22年10月、県内の下請け2社を使って数十回の架空発注を繰り返し、メーカーに1億数千万円の損害を与えた疑いがあるとみている。 逮捕容疑は21年1月ごろ、発電所に設置された熱交換器の保守点検を行ったとする架空の工事代金を、下請け業者からメーカーに請求させ、翌月に約209万円を振り込ませた疑い。認否は明らかにしていない。 メーカーから下請け業者に支払われた代金の8割は、男が実質経営する会社の口座に入金されていた。男は23年2月に退職している。 昨年、下請け業者に対する税務調査で架空取引が発覚。メーカーが今年5月、県警に告訴していた。