尹氏の拘置所内財産 寄付などで計7千万円=大統領年俸の2.5倍

【ソウル聯合ニュース】特殊公務執行妨害などの容疑で7月に再逮捕され、拘置所に収監されている韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領が受け取った領置金が約6億5000万ウォン(約6900万円)に上ることが分かった。領置金は刑事施設収容者の所持金などの財産を意味するもので、追加で出し入れすることができる。寄付金とは異なり法的制約が少ないため、個人の寄付金集めのルートとして使用されているとの指摘があり、制度改善を求める声が出ている。 法務部が9日までに国会法制司法委員会所属の野党「祖国革新党」の朴恩貞(パク・ウンジョン)議員に提出した資料によると、尹氏は再逮捕された7月10日から先月26日までの109日間に6億5725万ウォンの領置金を受け取った。ソウル拘置所の中で最も高額で、入金回数も1万2794回と1日平均で約100件に上る。出金は6億5166万ウォンで、出金した回数は約180回だった。 尹氏の領置金は今年の大統領年俸(約2億6258万ウォン)の2.5倍に上る。 尹氏の妻で、あっせん収賄や資本市場法違反などの容疑で8月12日に逮捕された金建希(キム・ゴンヒ)氏の場合、領置金は約2250万ウォンで、このうち約1856万ウォンが出金された。 また、尹前政権と世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の癒着疑惑に絡み、同教団から違法な政治資金を受け取ったとして政治資金法違反の罪に問われた最大野党「国民の力」の重鎮、権性東(クォン・ソンドン)国会議員は1660万ウォンを受け取り、出金は1644万ウォン。金建希氏に金品を提供したなどとして逮捕・起訴された世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の韓鶴子(ハン・ハクジャ)総裁は564万ウォンを受け取り、出金は約114万ウォンだった。 寄付金品法や政治資金法で制約される寄付金とは異なり、領置金は限度額400万ウォンという基準があるだけで、出入金の金額や回数に制限がないため、限度額を超えない範囲で何度でも出入金が可能となる。 朴恩貞議員は「収容者の便宜のため導入された領置金制度が事実上『尹アゲイン(尹氏の再起)』の政治資金集めの窓口に変質した」と指摘し、早急な制度改善を求めた。

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