1人は逮捕前「着服は認めるが…」粉飾決算で銀行から融資約1億円騙し取ったか 倒産した会社の幹部ら逮捕

粉飾した決算を提出して県内の銀行から不正に融資を受け取ったとして倒産した物流会社の幹部2人が逮捕された事件。元総務部長の男は逮捕前、事件について石川テレビの取材に答えていました。 詐欺の疑いで逮捕されたのはおととし倒産した金沢市の物流会社アペックスの元社長(61)とアペックスの総務部長だった男(60)の2人です。警察によりますと、2人は共謀して2021年6月ごろ、粉飾した決算書を県内に本社がある銀行に提出するなどして返済能力に問題がないように装ったうえで2021年8月ごろには運転資金名目でその銀行に融資を申し込み2回にわたっておよそ1億円をだまし取った疑いがもたれています。アペックスは負債総額およそ92億円を残しおととし10月に倒産。倒産後に開かれた債権者への説明会で元社長は…。「投資に見合う利益を得ることができず、自力での再建は困難と判断した。多大な迷惑をかけ申し訳ない」 決算書の粉飾に気付いた銀行が今年1月、刑事告訴し今回の事件が発覚。警察は2人の認否について捜査に支障が出るとして明らかにしていません。総務部長だった男は今年8月、会社名義の口座から現金800万円を引き出しこのうち735万円を着服したとして業務上横領の罪で起訴されていました。逮捕前、元総務部長は石川テレビの取材に対し…。「着服をしたことは認めるが沖野は倒産の責任は全て私にあると言っていた」 さらに今年7月にはアペックスの財務を引き継いだ会社が会社の口座から引き出された42億円の使途がわからないとして元総務部長だけを提訴。先月、金沢地裁は元総務部長に対し5億円の損害賠償を命じる判決を言い渡しています。 元総務部長は「42億円という大金の引き出しは一管理職の私だけでできることではない」と話していました。警察は余罪があるとみてだまし取った金の行方や動機などについても詳しく調べる方針です。

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