覚醒剤「キャラ入り」錠剤5万錠押収 田園地帯に加工拠点、男ら逮捕

静岡県富士市で10月、違法薬物の製造拠点とみられる建物を神奈川県警などが家宅捜索し、錠剤約5万錠など大量の薬物を押収していたことが捜査関係者への取材でわかった。錠剤の一部は覚醒剤成分が含まれ、ゲームなどのキャラクターが描かれていた。警察は、密売組織が若年層への浸透を狙った可能性があるとみて警戒している。 建物は富士市内の田園地帯にあり、周囲は高い塀で囲われている。捜査関係者によると、神奈川、静岡、愛知の3県警と横浜税関などが合同で捜索し、錠剤のほか、大麻や覚醒剤の粉末なども押収したという。 3県警などは、建物内で営利目的で覚醒剤を所持したなどとして、覚醒剤取締法違反容疑でイラン国籍の男3人を逮捕。男らがこの建物で大量の薬物の製造や加工に関わっていたとみて、調べている。 捜査関係者によると、覚醒剤は粉末などの状態で国内に密輸入され、小分けして密売されることが多い。一方、今回摘発した拠点は、密輸した覚醒剤を錠剤に加工していたとみられるという。様々な違法薬物を製造していた可能性もあり、押収した薬物の鑑定や設備の分析を進めている。 粉末の覚醒剤は、注射器などで体内に取り入れて使用する。警察は、錠剤型としてキャラクターを描くことで、注射などと比べて使用への抵抗感を薄める狙いがあったとみて調べている。(中嶋周平)

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