元組員の僧侶を逮捕、知人に拳銃と実弾を売った疑い 「密造銃」か

拳銃と実弾を知人に売ったとして、警視庁は僧侶の開発(かいはつ)喜成容疑者(49)=福島県郡山市大槻町=を銃刀法違反(拳銃と実包の有償譲渡)などの容疑で逮捕し、14日に発表した。捜査関係者によると、容疑者は元暴力団組員で、僧侶を名乗っていたという。 薬物銃器対策課によると、逮捕容疑は1月15日夜、茨城県笠間市の高速道路のサービスエリアかその周辺で、回転式の拳銃1丁と適合する実弾4発などを知人の男(42)に売ったというもの。同課は、対価として数十万円を受け取ったとみている。 同課が、知人の男が拳銃を持っているとの情報を入手し、捜査を始めたのは1月。3月には山梨県にある男の関係先の倉庫で拳銃や実弾が見つかり、その後、この男は銃刀法違反の疑いで逮捕・起訴された。拳銃などの入手先を調べたところ、開発容疑者が関与している疑いが浮上したという。 同課によると、拳銃は正規の製造メーカーが作ったものではない「密造銃」で、殺傷能力があることを確認したという。同課は、開発容疑者が拳銃などをどのように入手したかの特定を進める。 拳銃を山梨県の倉庫で発見した際、大量のグリースが塗られた状態で、紙でくるまれ、プラスチック製の容器に入れられていた。同課はさび止め目的だったとみている。 警視庁による1~10月の暴力団関係者からの拳銃の押収は、この事件を含めて9丁。昨年1年間は1丁もなく、大幅に増えた。同庁は「引き続き押収に徹底する」としている。(西岡矩毅)

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