貴金属会社の偽の刻印が入った金地金を売却し、現金をだまし取ったなどとして、警視庁特別捜査課は14日までに、詐欺などの疑いで、中国籍の会社役員楊暁東容疑者(39)=東京都渋谷区神山町=ら男女8人を逮捕した。 いずれの認否も明らかにしていない。 同課は、楊容疑者らのグループが3~7月ごろ、同様の手口で約95億円をだまし取ったとみている。詐取金の多くは暗号資産に交換されており、同課は詳しく調べる。 逮捕容疑は3~4月、千代田区の貴金属店2店舗で、正規品であるとする偽の書類を提示した上で、偽の刻印が入った金地金(計37キロ)の売買契約を結び、計約6億円をだまし取った疑い。 同課によると、同容疑者らの金地金には、実在する貴金属会社のロゴや、架空のシリアルナンバーが刻印されていたという。金地金は特殊詐欺でだまし取ったものや、海外から密輸したものとみられる。 都内で多発していた、警察官をかたって金地金の購入を指示してだまし取る詐欺事件の捜査の過程で、同容疑者らが浮上したという。