人身取引で終身刑、フィリピンの前市長に 特殊詐欺拠点に関与か

特殊詐欺拠点での人身取引の罪に問われたフィリピン北部バンバン市の前市長、アリス・グオ被告に対し、現地の裁判所は20日、終身刑と200万ペソ(約530万円)の判決を言い渡した。グオ被告をめぐっては、裁判所が6月に「中国人で、国籍を偽って市長を務めた」と認定していた。 グオ被告は人身取引禁止法違反や資金洗浄など60以上の罪で逮捕・起訴されたが、無罪を主張してきた。一連の事件では、ほかにオンラインカジノ経営者や中国国籍の被告ら15人が起訴されている。 東南アジアでは、人身取引や「闇バイト」で連れてきた外国人らを監禁し、特殊詐欺に加担させる犯罪の横行が社会問題となっている。 事件を捜査する大統領府組織犯罪対策委員会は判決を受け、「組織的な人身取引とオンライン詐欺との闘いで、画期的な瞬間を刻んだ。監禁や脅迫で尊厳を傷つけられた被害者のため、正義の実現を追求する」と声明を出した。 事件の舞台となったのは、北部バンバン市にあったオンラインカジノ施設(POGO)だ。

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