G20首脳会議、トランプ氏不参加で「発信」微妙…中露トップも不在 南アで22日開幕

【カイロ=佐藤貴生】南アフリカの最大都市ヨハネスブルクで22~23日、20カ国・地域(G20)首脳会議が開かれる。国際情勢が不透明さを増すなか、「連帯、平等、持続可能性」をテーマに協議が行われる。ただ、世界最大の経済大国である米国は参加せず、足並みの乱れを露呈した。影響力のあるメッセージが発信できるかは見通せない。 トランプ米大統領は今月上旬、首脳会議に「米政府当局者は出席しない」と述べた。米政権は明確な証拠を示すことなく、南アでは白人が不当な扱いを受けていると主張してきた。南アは否定しており、両国の関係は冷え込んでいる。 米国はG20の次の議長国で、指導者が姿を見せない国に議長ポストを引き継ぐ異例の事態となる。米ブルームバーグ通信は19日、米政権が議長国の南アに対し、首脳会議で共同声明を出さないよう警告したと伝えた。 中国は習近平国家主席に代わって李強首相が出席する。ウクライナ侵略を巡って国際刑事裁判所(ICC)が逮捕状を出したロシアのプーチン大統領も参加を見送る。日本からは高市早苗首相が参加する。 近年のG20は気候変動問題における責任分担の在り方などを巡り、参加国の間に温度差が生じていた。米中トップの欠席で「最後のフロンティア」とも呼ばれるアフリカをアピールする格好の場になるとの見方もある。

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