特殊詐欺被害金をマネロンか 「相対屋」の男ら逮捕 暗号資産の流れ解明・警察庁

無届けの暗号資産取引で特殊詐欺の被害金をマネーロンダリング(資金洗浄)し、現金化したなどとして、警察庁サイバー特捜部と広島県警の合同捜査本部は25日、詐欺や組織犯罪処罰法違反などの疑いで会社役員谷沢直樹(34)=東京都町田市成瀬が丘=、特定抗争指定暴力団山口組系組幹部小林雄輝(44)=横浜市南区永田みなみ台=両容疑者を逮捕した。 認否は明らかにしていない。 違法な暗号資産取引で犯罪収益を現金化する業者は「相対屋(あいたいや)」と呼ばれる。匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)の資金獲得に重要な役割を果たしているとされ、警察庁幹部は「偽装した金の流れを解明し逮捕できたことは、トクリュウの弱体化やビジネスモデル解体に大きな意味を持つ」と話す。 谷沢容疑者は小林容疑者の依頼で計106回、計約4億5000万円分のビットコインの売買をするなど、2022年3月~今年3月に無届けで約280回の取引を実施。十数人の顧客がおり、合わせた取引額は約22億2000万円に上っていた。警察当局は多くが犯罪に絡んだ金とみて調べる。 逮捕容疑は、氏名不詳の詐欺グループと共謀して堺市の70代女性を「預かり金を送れば詐欺の被害金が戻る」などとだまし、暗号資産で計約1億700万円を送らせて詐取したほか、その一部を含む約500万円を現金化して小林容疑者側に手渡しし、犯罪収益を隠匿するなどした疑い。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加