Asif Shahzad [イスラマバード 5日 ロイター] – 昨年5月にパキスタン北部ラワルピンディでイムラン・カーン元首相(72)の支持者数千人が国軍司令部などを襲撃して少なくとも8人が死亡した事件で同国の裁判所は5日、国軍攻撃を扇動した罪でカーン氏を追起訴した。 この事件は、パキスタンで長年にわたり政治に絶大な影響力を持って来た国軍への前例のない規模の襲撃となった。 裁判所は追起訴に先立ち、今年11月25日に首都イスラマバードの数千人の抗議デモを率いた妻ブシュラ・ビビさんの逮捕状を発行した。このデモでは死者が出たものの、逮捕容疑は汚職事件公判への度重なる召喚に応じなかったことだった。 カーン氏は数十件の訴訟を起こされ、既に有罪判決で収監されている。現在は汚職罪を問う裁判が進んでいるが、過去の汚職罪裁判は全てが執行停止か無罪判決となっている。 昨年5月9日の襲撃事件は、カーン氏が設立した野党パキスタン正義運動(PTI)が呼びかけた反政府デモがきっかけとなった。 現地報道やPTIによると、ラワルピンディの反テロ法廷の裁判官がこの日、カーン氏と元大臣、指導者、支持者ら数十人の起訴状を読み上げ、カーン氏は無罪を主張した。 PTIは無罪を主張する方針で、広報担当者は「一切の証拠がない起訴であり、われわれが異議を主張すれば退けられると確信している。起訴は政治的な迫害にすぎないからだ」と述べた。