「追いかけ回し何度も殴打」「頭部がいびつに変形」…2月初公判・一家3人撲殺「凄惨犯行の一部始終」

斧を複数回頭部に叩きつけ一家3人を撲殺し、住宅内に灯油をまいて放火――。 凄惨極まりない事件の公判の日程が決まった。12月2日、さいたま地裁が複数のメディアに、埼玉県飯能市に住む米国籍の男性や妻、長女を斧で殺害したとして殺人や銃刀法違反などの罪に問われている無職・斎藤淳被告(43)の初公判が’26年2月16日に開かれると明らかにしたのだ。 「事件は’22年12月に起きました。逮捕直後から斎藤被告は一貫して犯行を否認しています。検察側は斎藤被告の精神状態を調べるため、’23年2月から2度の鑑定留置を約10ヵ月にわたり実施。弁護側は斎藤被告に責任能力がなかったとして無罪を主張する意向で、刑事責任能力の有無が裁判の争点になりそうです」(全国紙司法担当記者) 『FRIDAYデジタル』はトラブル発生直後、犯行の一部始終を詳しく報じている。幸せな一家3人の命が奪われた、前代未聞の事件を振り返りたい――。 ◆「話したくありません」 埼玉県警が’22年12月25日に殺人未遂の疑いなどで逮捕したのが、飯能市に住む斎藤被告だった。斎藤被告は同日朝7時過ぎ、近くに住む米国籍のA氏宅に侵入。斧でA氏や妻、長女を次々に撲殺したという。 「防犯カメラの映像には、Aさん宅から平然と歩いて去る黒っぽい服を着た斎藤被告らしき姿が映っていました。現場から約60m離れた斎藤被告の自宅からは、斧やハンマーなど複数の鈍器が見つかっています。 斎藤被告はAさんらを追いかけ回し、何度も頭や首を殴打したようです。Aさんの身体には複数の殴打痕があり、頭部がいびつに変形していたとか……。死因は頸髄損傷。警察がかけつけると、何度も鈍器で殴りつけられたAさんら3人はすでに死亡していました。Aさん宅からは、灯油で火をつけられ火災が発生しています。調べに対し、斎藤被告は『話したくありません』と供述を拒んでいました」(全国紙社会部記者) 現場は閑静なベッドタウンだ。事件直後に『FRIDAYデジタル』の記者が現場を訪れると、近隣住民からは生々しい証言があがっていた。 「付近は普段とても静かな住宅街です。朝から『やめろ!』という男性の声が聞こえ、ビックリしました。『キャー!』という女性の悲鳴も。どなたか110番通報したのでしょう。すぐに警察官がかけつけ、クリスマスの日曜日にもかかわらず物々しい雰囲気になりました」 A氏が来日したのは40年ほど前だ。都内の有名私立大学を卒業後に大手企業に勤務し始め、妻と結婚。近隣住民によると、A氏夫妻は事件の約6年前に都内から引っ越してきたという。日本語が流暢で、気さくに挨拶する感じの良い夫婦だったとか。だが、斎藤被告とは以前からトラブルがあったとされる。 ◆裁判の2つの争点 「’21年夏に、Aさんが保有する高級外国車の側面がドライバーのような物でえぐられる事件がありました。奥さんは周囲に『修理費が100万円もした。なぜキズつけられるかわからない』と、不安を吐露していたようです。 このトラブルで、器物損壊の疑いで逮捕されたのが斎藤被告でした。斎藤被告はAさん宅に石を投げつけるなど、何度も嫌がらせをし他にも複数の逮捕歴があります。ただ、いずれも証拠が不十分だったようで不起訴になっていたんです」(前出・記者) 過去のトラブルや鈍器で何度も被害者を殴り家に放火するという経緯から、斎藤被告にはA氏家族への強い恨みが感じられる。だが明確な犯行動機は不明だ。 元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏が、初公判が決まった斎藤被告の裁判について解説する。 「裁判のポイントは2つあると思います。1つは犯行動機です。事件への関与を一貫して否定しているようですが、被告が被害家族との関係をどこまで話すか。検察側が、事件の背景をどれだけ把握しているかが焦点となるでしょう。 2つ目は被告の刑事責任能力の有無です。おそらく早い段階で、鑑定留置を担当した精神科医が証人として出廷すると思います。医師が話す内容がカギとなる。責任能力が認められれば、家族3人の命が奪われたのですから極刑もありうるでしょう」 公判は全7回が予定され、判決は’26年3月16日に言い渡される予定だ。

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