埼玉県飯能市の民家で2022年12月、親子3人が殺害された事件は、25日で発生から3年となった。 殺人などの罪に問われた斎藤淳被告（43）の初公判は来年2月16日にさいたま地裁で開かれ、刑事責任能力の有無が最大の争点となる見通しだ。 事件は22年12月25日午前7時ごろ発生。同県飯能市美杉台の民家で、住人の米国籍ビショップ・ウィリアム・ロス・ジュニアさん＝当時（69）＝と妻の森田泉さん＝同（68）、長女の森田・ソフィアナ・恵さん＝同（32）が首や頭部などをおのでたたきつけられるなどして死亡し、住宅内では放火とみられる火災も起きた。 県警は事件当日、近所に住む斎藤被告を逮捕。同被告はこの民家に止めてあった車を傷つけるトラブルを過去に起こしており、2回にわたる計約10カ月の鑑定留置を経て起訴された。 公判で弁護側は、被告が事件当時、心神喪失状態だったとして無罪を主張する方針。弁護側の求めに応じ、地裁は起訴後に被告への精神鑑定実施を認めており、弁護側は鑑定を担当した東京科学大の岡田幸之教授を証人として申請し、被告の事件当時の精神状態を示すため、自室に書き残していたノートなども証拠として提出する方針だ。 検察側は、起訴前の鑑定結果では責任能力に問題はなかったと主張するとみられ、事件を目撃した近隣住民や、被告宅に踏み込んだ警察官ら計3人を証人として申請する見通し。 公判は2月下旬まで7回行われ、判決は3月16日に言い渡される予定。