ドナルド・トランプ大統領がグリーンランドの強制取得を示唆したり、今週米ミネソタ州で移民当局が5歳の子どもを家族をおびき出すための“おとり”として拘束したとされる出来事など、決して笑い事ではないニュースが続いている。 しかし現地時間2026年1月21日、ジャック・ホワイトがインスタグラムへの長文投稿で、重苦しい空気を少しだけ和らげる形で、大統領の記者会見を痛烈に揶揄した。ホワイトが標的にしたのは、1月20日に行われた、トランプによる81分間に及ぶ支離滅裂な会見で、同氏が自身の政権1年目の成果だと主張する内容を延々と語ったものだ。 トランプが、表紙に「ホワイトハウス:ドナルド・J・トランプ大統領の成果(2026年1月20日現在)」と書かれている分厚い書類の束を掲げる写真とともに、ホワイトはハルク調の文体で、「オレ成果出した!トランプ賢い。いい子は<ノーベル平和賞>もらえる!認知症?何それ?違う!トランプ賢い、脳テスト合格、キリン言える。ボクはベネズエラとカナダの大統領。グリーンランドも遊びで欲しい」と投稿した。 【ロックの殿堂】入りアーティストであるホワイトは、軽度認知障害を評価するMoCAテストを“何度も楽勝で合格した”と繰り返し主張している点や、8つの戦争を終わらせたと誇張して<ノーベル平和賞>を求め続けていること、さらにベネズエラ大統領ニコラス・マドゥロの最近の逮捕や、カナダとグリーンランドの“併合”をほのめかす継続的な発言など、数々の話題を風刺の対象にした。 ホワイトのジョークはそれだけにとどまらない。「ママは、トランプは偉大な野球選手になれたって言ってた。でも窓に鉄格子のある大きな建物もあるな。とても病気の人のための建物。トランプは病気じゃない。トランプ賢い。MAGA。とても賢い人たちがトランプを大統領にした」と、彼はハルク風のぎこちない文体で続け、先週トランプ大統領が自身の受賞ではないにもかかわらず、ベネズエラの野党指導者マリア・コリーナ・マチャドの2025年<ノーベル平和賞>メダルを受け取ったという奇妙な場面にも触れながら、「とても賢い人たちがトランプを大統領のままにしてる。お昼寝する。ニセ、いや本物の平和賞を枕にする。トランプ成果。おやすみ」と綴った。 数時間後、ホワイトはさらに、“音楽に専念しろ”といった類のコメントが来ることを先回りして牽制した。彼はコメント欄で、「“音楽だけやってろ”とか、それに類するコメントをした人はブロックする」と警告し、「そのコメントに“いいね”した人もブロック。なぜブロックされたか分かるように、いくつかは残しておく。ここは町の広場じゃなくて、俺の家だ。テッド・ニュージェントやキッド・ロックなら、もっとMAGA支持者を探してるはずだから、そっちに行くといい。ご清聴ありがとうございました!」と、トランプ大統領のおなじみのSNSでの決まり文句をもじって締めくくった。 この一連の投稿には、プロデューサーのブッチ・ウォーカー(「愛してる」)、ガービッジ(拳を合わせる絵文字)、マーゴ・プライス(「完璧」)など、音楽仲間からも賛同の声が寄せられた。 今回の投稿は、ホワイトがここ最近続けているトランプ政権批判の最新の一撃にすぎない。昨年8月には、元家具職人でデザイン好きとしても知られる彼が、大統領によるホワイトハウスの金ピカ改装を“下品で、金箔まみれで、成金趣味”と酷評し、“プロレスラーの楽屋みたいだ”と例えた。ホワイトハウス広報ディレクターのスティーヴン・チャンがホワイトを“落ちぶれた負け犬”と呼ぶ挑発的な反論をした後、ホワイトはさらに踏み込み、大統領を“アメリカだけでなく、世界全体にとっての脅威”と非難し、元リアリティ番組スターである人物を“低俗なファシスト”“オレンジ色の詐欺師”とまで言い切った。 さらに12月には、人気映画監督ロブ・ライナーと妻でプロデューサーのミシェル・シンガー・ライナーの殺害に関する侮辱的な投稿を大統領が行ったことを受け、ホワイトは大統領を“不快で、下劣で、自己中心的な負け犬のガキ”と痛烈に批判した。「彼も、彼の信奉者の誰一人として、世界に多大なものを与えてきた素晴らしいアーティストに対する、この卑劣でひどい侮辱を正当化することはできない」と、ホワイトは『スパイナル・タップ』や『プリンセス・ブライド・ストーリー』などの名作で知られるライナー監督について言及し、「誰かの悲劇的な死を利用し、自らの虚栄心とファシスト的な権威主義の計略を推し進めるのは腐敗した自己愛的な罪だ。トランプ、そしてそれを擁護するすべての人に恥を知れと言いたい」と強く糾弾した。