警察車両の後部座席に座り、片目だけを開けて外の様子を窺う男からは、かつて“カリスマ教授”と言われた品格も威厳もまったく感じられなかった。 1月24日、警視庁は、東京大学大学院・医学系研究科の皮膚科学教授で医師の、佐藤伸一容疑者(62)を収賄容疑で逮捕した。 「捜査関係者によると、佐藤容疑者と部下で同大学院元特任准教授の医師、吉崎歩容疑者(46)の2人が、飲食代を含む計460万円超相当の接待を受けたということです。そのうち、佐藤容疑者は180万円相当の接待を受けたとして逮捕されました。1月26日、共同研究相手で一般社団法人『日本化粧品協会』代表理事の引地功一容疑者(52)(大阪府岸和田市別所町)を約380万円相当の贈賄容疑で東京地検に書類送検しています」(全国紙社会部記者) 佐藤、吉崎両容疑者は、大麻成分の皮膚疾患への効能に関する「社会連携講座」の運営で便宜を図る見返りに、引地容疑者から’23年3月から’24年8月にかけて、高級クラブや、高級ソープランド約30回、計約380万円分の接待を受けていた。さらに、高級飲食店での接待(合わせて計460万円超相当)もあったという。 「1月27日発売の『週刊SPA!』では、引地容疑者が同メディアの取材に応え、接待に費やした額は17ヵ月で〈スーツの仕立て代などプレゼントしたものなどを含めると約3000万円にのぼる〉と告白しています。その間、佐藤容疑者からは“脅迫”まがいの言葉を浴びせられるなどしており〈’25年5月には東大と佐藤、吉崎に対して損害賠償請求訴訟も起こしました〉と話しています」(前出記者) 佐藤容疑者は、1989年に東大医学部を卒業後、同部で皮膚科助手として働き始める。1994年に医学博士を取得し、アメリカ・デューク大学留学や金沢大学の大学院助教などを経て’09年、東大大学院教授に就任した。’21年度の東大病院長賞を受賞するなど、強皮症研究の権威で知られる。東大医学部では“カリスマ“的存在で、その功績が讃えられていた。 しかし、大学の外では“たかり”生活が日常化していたと思われる。東大院“カリスマ”教授が起こした今回の事件。東大全体を揺るがす大問題であり、社会的影響もかなり大きいと思われる。どの程度の罪になるのだろうか。