木曜ドラマ『おコメの女-国税局資料調査課・雑国室-』(テレビ朝日系)第6話では、正子(松嶋菜々子)率いるザッコクが、因縁の宿敵・箱山(浅野和之)に本気で殴り込みをかけた。表の顔は“元国税局の敏腕税理士”。だが実態は、国税のルールを熟知したまま、その知識で金を増やし、政治家の懐まで出入りしている厄介な男だ。正子がここを潰さないと終わらないと睨むのも当然で、今回はその確信が、いよいよ形になる。 きっかけは、行きつけの居酒屋で拾った政治資金パーティーの噂。箱山が美術品や骨董品を使ったマネーロンダリングの連中とつながり、政治家とも裏で金を回しているらしいという情報だ。大元を叩かなければ、いくら末端を摘んでもいたちごっこになる。正子たちは周辺調査を進めていく中で、宗一郎(千葉雄大)を擁する鷹羽グループの集金パーティーへと辿り着く。耕一(佐野勇斗)が見つけたのは、パーティ券の売り上げが政治グループごとに「ある一定の金額」で揃いすぎている不自然さだった。 作久子(大地真央)、優香(長濱ねる)、豊作(高橋克実)が、さっそく宗一郎を抱える鷹羽グループの懇親会に潜り込む。作久子(大地真央)、優香(長濱ねる)、豊作(高橋克実)が潜入し、優香は会場の男たちに接触して情報を探り、作久子は参加人数が482人という規模感そのものに違和感を覚えていた。ただし、こちらが動けば向こうも動く。潜入が箱山の耳に入り、箱山本人がザッコクのオフィスに乗り込んでくる。正子を挑発し、余裕たっぷりに笑う箱山。けれど正子は表情ひとつ変えない。ここで熱くなるタイプじゃない。むしろ、静かに目が冷えている。そこへ追い打ちのように、宗一郎が緊急会見で議員辞職を発表する。隠し子報道への謝罪、父の死、辞職。あまりにも出来事が重なりすぎていて、誰かが糸を引いて操っていると思わずにはいられない。 そして第6話では正子の過去が明かされる。鷹羽家の話になると空気が変わる正子を不審に思った耕一が踏み込むと、正子は父・田次(寺尾聰)の過去を明かす。田次は秘書として錦之助(小野武彦)の罪を被り、逮捕された。尊敬していた母も失った。ザッコク結成の原点は、正子にとって単なる仕事ではなく取り返せなかった時間にある。正子が箱山を許さない理由が、ここでようやく腑に落ちた。 後半は、箱山との直接対決がついに決着。作久子たちが張り込みで目撃したのは、秘書が必死に美術品を売ろうとする現場だった。箱山に預けると何倍にもなって返ってくる――その胡散臭い甘さを正子は箱山が美術品を使って裏金を転がしている可能性へ行き着く。そしてザッコクは箱山の自宅へガサ入れへと動くのだが、箱山は最後まで飄々として、「出るものも出ないだろ?」と言わんばかり。実際、いったんは空振りに見えた。 けれど、正子は引き返す。こういうときの勘の粘りが、正子の怖さだ。目線を変えて探り直した先で見つけたのが、名刺の近くに隠された7億円相当のトレーディングカード。美術品よりも手軽で、価値が立ち、動かせる。箱山の悪趣味な切り札が、ここで露見する。ところが、追い詰めた瞬間に箱山の愛犬がカードを破ってしまう。あれだけ愛でていた愛犬にあっさりと紙くずにされてしまうとはなんて皮肉なことだろうか。箱山が捨て台詞のように言い放った「私のターンだ」も滑稽に見えてきた。策士ぶっていた男が、一気に情けない顔になる落差が痛快なシーンだった。 とはいえ、これで終わりではない。田次と灰島(勝村政信)が手を組み、政界へ向けて動いているかもしれない気配だ。もちろん、現時点では推測にすぎないのだが、箱山を叩けば済む話ではなく、鷹羽家を起点にした因縁そのものが、もっと奥でつながっているのではないか。田次と灰島という組み合わせが、次の火種を運んでくる予感だけが残るラストだった。