韓国の「国民的詩人」尹東柱に同志社大が名誉博士号 戦時中の獄死から80年、命日に授与へ

福岡で獄死し、韓国で「国民的詩人」として愛される尹東柱(ユンドンジュ)(1917~45)に対し、日本留学中に在学した同志社大(京都市)が名誉博士号の授与を決めたことが、大学関係者への取材で分かった。没後80年の命日である来年2月16日に同大である献花式で、遺族でおいの尹仁石(ユンインソク)さん(68)に代理で授与する。死後の博士号授与は、来年創立150年を迎える同大として初めてとなる。 12日に小原克博学長が主催する学内会議で決めた。 尹東柱は旧満州の北間島(現在の中国・延辺朝鮮族自治州)で生まれ、42年に東京の立教大に留学後、同志社大に編入。在学中に治安維持法違反容疑で逮捕された。ハングルで詩を書いたことが独立運動と見なされたとも言われる。福岡刑務所に収監され、獄死した。 同大では95年に学内に尹東柱の詩碑を建て、同窓生などでつくる「尹東柱を偲(しの)ぶ会」を中心に追悼してきた。同会の朴熙均(パクヒギュン)会長は「長年日本でも詩を読み継いできた。尹東柱があらためて評価され、喜ばしいこと」と話している。 (平原奈央子)

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