在留資格外のインド人を働かせたなどとして、埼玉県深谷市の野菜加工会社「ベジミール」が警視庁の強制捜査を受けた事件で、同社が過去5年以上にわたり、資格外のインド人を雇用していたことが27日、捜査関係者への取材で分かった。人材を斡旋(あっせん)するブローカーや、日本国内のインド人コミュニティーなどを通じて、インドから日本への不法就労のルートが確立され、常態化していた可能性がある。 ■ブローカーに金銭、技人国の在留資格取得 同社を巡っては、昨年10月に警視庁などの合同捜査本部が強制捜査に着手。「都内のIT系会社で働く」などとする虚偽の申請で「技術・人文知識・国際業務(技人国)」の在留資格を得たとして、インド国籍の従業員4人を逮捕するとともに、不法就労を助長した疑いで、日本人の社長とバングラデシュ人の人事部長を逮捕していた。 捜査関係者によると、従業員4人はインド国内のブローカーに金銭を支払い、技人国の在留資格を取得していた。日本に来た際、「(職場などから空港に)迎えがきているといわれていたが、いなかった」などとし、日本にいるインド人の知人らに連絡を取って誘導され、ベジミールで働くことになったと話しているという。 ■インド南部の州出身者…地縁で情報共有か 同社で働くインド人はインド南部のタミルナド州出身者が多かったといい、就労のために来日した同州出身者の多くがベジミールで働いていたとの情報もある。地縁関係などを通じて情報が共有され、同社で働く流れができていたとみられる。 捜査関係者は「こうした構図は不法就労の温床となり、断ち切らないといけない」と警戒を強める。 ベジミールの取締役を務める男性は産経新聞の取材に、「採用については人事部長に一任されていた。不法就労とは知らなかった」と説明した。警視庁の摘発を受けた後、工場に勤めていた従業員が100人ほど辞職したと明かし、「再発防止のために、現在は弁護士や司法書士にも見てもらい、毎月、従業員の在留資格の確認を行っている」と強調した。(前島沙紀、梶原龍)